Last*Lost
info || new || main || clap || res

10


ああ


来てしまった。






この状況から どうすれば…?




「あは、ゆきらきせんぱぁい」


じゃ、きん。と。


玉藻ちゃんがナイフを構える




殺意が、ぴりりと肌を撫でた。姫ちゃんにそれは向かっている。


それに対して姫ちゃんからも殺気。

それは私にも向いていた。



ああ、そっか

大切なのはあの人だけだから

姫ちゃんは
私が死んでもいいのか




「ちょっと待って」


今にも殺し合いそうな雰囲気を静止しようとする。


「姫ちゃん…、姫ちゃんは、どうしてーーー」


「煩いです邪魔ですよ全く。何もしなければ殺さなかったのに」



ああ、私を殺すことは姫ちゃんにとって決定事項らしい




思わず、笑みがこぼれた。







「なっ…なに笑ってるですか!
貴女さっき私が言ったことの意味分かってますか!?」


「もちろん。ただ、私が死ぬことはないなぁと思ってね。それにーーー」



私は姫ちゃん好きだもの。とつぶやいて私は腰に袖に襟に脚に腕に頭に仕込んだあらゆる刃を投げた。

それらは上に向かった

そう、天井に。



ドガガガガガガタガタズシャァァアアッ


そうとでも形容するしかない破壊音がして、天井半径10mほどが陥没し、尚且つ道を塞いだ。





これは、私達と姫ちゃんの間に壁があるようなもの。引っ掛ける部分も満足にないから壊されることはないだろう。


よし。



ひとまず曲弦糸、姫ちゃん、玉藻ちゃんの死亡から逃げられた、の、かな…?



まだ怖いし玉藻ちゃん放置はもっと怖いから、取り敢えず学園の外に出るか…


きっと主要人物達はこれから中庭付近から動くことになるだろうから


そっちを避ける道は……



脳内にインプットした地図をとにかく頑張って思い出す。



よし、この道。



思い描いて玉藻ちゃんに声をかけようと振り向く。

玉藻ちゃんは。


すごく残念そうに下を向いてしゃがみこんでいた。




えっ、



小説の様子からは全く想像出来ない姿に戸惑う。


「あの…玉藻、ちゃん?」


「………」

  






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -