Last*Lost
04
それがまさか
あんなところでまた会う羽目になるなんて
「はっ、お似合いだなぁフランス」
「おいおい〜、調子に乗るのも程々にしてくれよ。いい加減煩いよ?坊っちゃん」
ガツッ、と鈍い音がして、思い痛みが肩に走った
(…今回は本当にヤバいかもな
ったく、眉毛のくせによくもまぁここまでやってくれたもんだこと。)
ふと視界の端に振り下ろされる銃がみえる
「全くこの眉毛、銃の使い方も分からないのかよ」
「ん? この偉大で寛大な俺が優しく殴ってやってるのに、零距離で撃たれる方がいいって言ったか髭野郎」
カチリ、と冷たい音がする
ーーー俺も、ここで終わるんだろうか?
ふとそんな考えが頭をよぎる。
俺らしいといえば俺らしく、惨めといえば惨めな消え方
まぁイギリスには酷いことしてきたんだ、これは分からなくもない。むしろ相応しいと思う
自分が消えようとしているのに、引き金がゆっくりと引かれる振動と銃口の重みが、他人の痛みのように浮いて現実味なく感じた
「待ちなさい!」
キィン、と金属のこすれる音がして、感じていた重みがなくなった。
そしてそこに、イギリスに斬りかかった人物……あの日のような輝きをもった天使が降り立っていた
「何者だ」
低い声で問うイギリスに、その影はこたえた
「私はジャンヌ。
ジャンヌ・ダルク。フランスを守護する聖女です」
じり、と剣を持ちイギリスにつめよるジャンヌ。
「…チッ、二対一は分が悪い、か。今日はこのくらいにしておいてやるよ。」
そうしてじゃあな、といってイギリスは銃を引きずり去って行った。
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