Last*Lost
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忍ぶれば


取り敢えず俺が表向きには正式な四男として扱われていることがわかった。


何故かは謎だけど現当主の父さん自体が謎だから諦めた。


ピン留は諦められないけど
『いつかハンター証を得て探す』、そんな目標を得た。それまでになくなっていなければいいけど。というか森広いのにどうするよ俺。念か?念なのか?



いけないいけない、混乱は混乱と危険を招くだけだ。




「おはようございます!」


「おはよう。タクト、体調はもういいのかしら? もし、と思ってたまご粥を作っておいたのだけれど」


「ありがとう母さん。それ、いただきます!」


たまご粥の乗った御膳を持って自室へ

取り敢えずサクジにいさんとちょっと顔を合わせたくないっていう。




食べ終えて空になった腕をもって台所へ向かう途中にサクタにぃに出会う。


「タクト、身体はもういいのか?」


「うん。今日は鍛錬よろしくね」


午前中はサクタにぃと剣を
午後はタツマさんと組手を

最近はそんな予定が多い。










「そう、剣筋見極めて。次はどこにくるか予測、構え、防御兼反撃!」


カッと木刀特有の音がする。


「…にしてもタクト、心配事か気にかかってることある?」


「? ないけど…」


「いや、気のせいならいいんだ」



そういってまた木刀を交えた。

誤魔化せたようだけど、サクタにぃのカンはよすぎるな
気をつけよう。


心配させるのはあまり好きじゃないから。










午後になっていつもの場所にいくと何故かハンゾーがいた。

「…? タツマさんは?」


「急な任務が入ったらしい。俺は連絡な、午後からフリーってことらしい。」


「そうか。」



二日も組手をしないとなると身体がなまらないか心配になる。


「な、ハンゾー俺と組手」

「今日はやめとく。俺明後日から里の長の手伝いすっから。起きれないと困るだろ」



そんな酷いことするつもりないのに
初めてあったときのことをまだ根にもっているのか?


「それより、これ。なーんだ?」


ハンゾーが細く小さいキラキラしたものを見せる。ワンポイントに花。



「まさかそれ…探してくれたのか? あの森の中を?」



森の中には入れないはずなのにと呟くと笑ってハンゾーが言う。


「忍者は忍び込む者、名は体を表すっていうだろ?」


にやりと笑ってハンゾーは俺の手のひらにピン留をおとした







綺麗に笑うタクトをみてハンゾーは思う。



(ハンター証もってるタツマに頼んだってことは内緒にしておこう)



今だけは何故かこの笑顔を独り占めしておきたかった




  






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