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父バカ第三号


井戸の水を頭から被って汗を流す。
おぉぉ、冷たくて気持ちいい。



「暗部のやつとの組手はどうだった?」

「…父さん。

えっと…まぁ、俺の知らない型があったから教えてもらったり、実戦に近い形で練習できるから、凄くありがたいよ。」


「そうか。

…タクト、午後からはサクタと剣の練習、その後瞑想だ。

これから毎日、一日の終わりには瞑想しておけ、動かないことにも有益なことがあるからな」


念、だろうか。遠回りに父さんは精孔が自然に開くきっかけを与えてくれようとしている。


正直念を覚えないでも念能力者とタメ張れるだけの実力がほしいんだけど…
ま、念は普通の拳法やなにやらとは次元が違うしなぁ…

基礎は早くできたほうがいいんだろうし。



そうだな。





剣修行を終えた俺はそうして目を瞑り瞑想した。












「瞑想の成果、でてるなタクト」

「えっほんと?」


自分じゃ全く分からないけど…

というか家の様子をみたり、兄弟三人みたところ、父さんしか念を覚えてないんじゃないかと思う

まぁ、父さんも念を教えるとは一言も口にしていないし、失敗すれば危険だろう

でも覚えておけばかなり有益。


それを俺におしえてくれるのはどうしてだろう?

養子なのに?







今日はそれを考えていて瞑想しても迷走してしまっていた。




サクタにぃにもタツマにも技に落ち着きがでてきたとは言われたんだけどな…
でもまだ瞑想中に余計な考えもよぎるし。無の境地ってどこにあるんだろう。




そこまで考えてそういやハンゾーに無の境地ってあり得ないなとかふと考えて笑ってしまった。


あの後からハンゾーとはまぁまぁ仲良しに。信頼し合ってるみたいな。もしかしたら俺から一方的なのかもしれないけど、心根優しいしどこまでもまっすぐなハンゾーのことは頼りにしていたり


友達っていっていいよな、多分、うん。



そう思うとちょっとにやけてきて自分が気持ち悪かった。




「もう!瞑想おわりー!」


これじゃ集中できそうにはない。
煩悩が邪魔をする。何とかしないとなぁ


  






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