それ俺のスタンドです | ナノ
名付けましょう 3


『スタンドの基礎?は大体分かったし、そろそろ名前を付けて欲しいんですが』
「まだ具体的な能力が判明していないのがどうにも引っ掛かるが、そうだな。いつまでも”筋肉ダルマ”では可哀想だ」
「誰も一度もそんなこと言ってねーぜ」


「しかし大アルカナの役者は既に揃っていた……”クリーム”のような我々のスタンド名と関係の無い名前では、どうにも違和感がついてくる」
『む……そういえば、タロットって小アルカナがあるんですよね?』
「そんなものがあるのか……知らなかったな」
「コイツは昔から、人並みの女みてーに占いが好きだからよ。どーでもイイ事ばっか知ってんだ」
『私は人並みに女なんだけどもね』
「どうだか」
「右に同じ」
『ひでえ』

「成程、点と点が線で繋がったような感覚だ!だが56枚全てからスタンドの名を選ぶのではいささか効率が悪い……スタンド使いもそうそう居るわけでないしな。そうだ、スートの4つから名を与えよう」
『あのスペードとかハートとかのやつですよね?』
「確かに小アルカナとトランプの関係には色々な説がある、が……ここでは《棒》、《剣》、《聖杯》、《硬貨》のうちから選ぶとしよう」

「僕たち会話に入れないな」
「…………フン」
「嫉妬かい、ふふ」
「チッ」


「……さあ、引くが良い。それが貴女の運命のカードとなるッ!」
『ならば………コレ、だッ!!』(勢いよく一枚を抜き取り、引っくり返して見せた!)


「選ばれたのは”swords(剣)”!よかろう、貴女のスタンド名は「濃紺の剣(ネイビィソード)」!!」

ブワァッ!

『お……おおお!?半透明だった私のスタンドがッ!濃紺に染まってゆくッー!!』
「形も……只の人型ではないッ!“ネイビィ(海軍)”……セーラーと馬鹿デカい錨!」
「……これが……越美のスタンドか………」



(錨のバッヂが付いた帽子から揺れ出る長髪を靡かせ、ふるりと睫毛が動き……目を、開けた)



『  …私の  、 スタンド…ネイビィ、ソード』
(スタンドが本体に目を向ける)
『……あ、ああ…………

            すげー好みの大胸筋』
「ぶれないなキミは!?」
「……やれやれ」



「それにしてもなぜ、スタンドが……進化した、んでしょうか」
「……わたしに、ある考えが浮かんだ。聞いてくれるか」
「聞かせろ」




                         続く

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