それ俺のスタンドです | ナノ
戦ができぬ


(ドアを開けた先にはウエイトレスが立っていた)
「いらっしゃいませ。何名様でご来店ですか……?」
『2名で』
「お席に、ご案内しますね」

『お客さん入ってるな。あ、あの子うちの高校だ。制服だし部活帰りかな』
「………女が多いな」
『よく見ると店員も全員女性だ。こういう隠れ家的な店は好きだから、女の子は』
「てめーもか」
『筋肉見てる方がよっぽど癒しだ』
「……」

「いらっしゃいませ。お絞りとお冷やになります。ご注文はお決まりですか」
『私は唐揚げパスタで。承太郎、あんたは』
「それにする」
「唐揚げパスタお二つですね。ご注文は以上でよろしいですか」
『はい』



「(店の対応も普通か。まあ見た目もただの飯屋だ、そこまで警戒せずとも……)」
ガシャアアアンッ!!
『「!?」』
「ふざけないで!あの人の恋人はあたしなのよ!」
「あんたみたいな女が恋人な訳無いじゃないの!いちいちありもしないノロケ聞くのウンザリしてるのが分からないの!?」
『……また喧嘩?』
「客のほうは随分マナーが悪いようだな」(ククク、と水を飲む承太郎)

「お客様、店内ではお静かに」
(ぴたりと喧騒が止む)
「食事中に埃を立てるのはマナー違反でございます。こちらへ」
(騒ぎの中心となった二人を連れて休憩室の方へ)
「お待たせしました、唐揚げパスタでございます」
『ああ、はいはい(唐揚げも麺も普通だな。良かった)』
「………」
(承太郎は少し離れた席にいる別の女性二人組を観察している)

「あら、初めて来たけど美味しいわね」
「でしょう?それとね、ここの料理を食べると誰でも“素直な気持ち”になれちゃうらしいのよ。カレを連れてきたら普段言えないようなことも喋ってくれるかも!」
「へえー」
「(素直な気持ち、か)」


『承太郎、これすんごく美味しいよ。食べないの?』
「後でな」
『………そういえば、承太郎も中々筋肉あるよね』
「ああ?急に何を『流石にスターさん程じゃあないけど全体的に引き締まったシルエットとか良いと思う少々腰が細いのが気になるけど極端な逆三角形も嫌いじゃない女の子が惚れ込むのも分かる気がする顔に関しては文句つけられないしジョースターさんも実年齢より若々しくていらっしゃるからその血筋かそれとム゛ッ』(口を押さえられる)
「……やれやれ、なんてこと言いやがる」

(突如秋本のスタンドが出現、碇を降り下ろす!)
「なっ、に!?」
(即座に横へ回避、同時にテーブルをひっくり返して秋本の動きを止める)
『うあっ』
「(一体何が起こっている?)」

「お客様……」「!」
「そちらの方が……どうかなされましたか?」
「……ちょいと気分が優れないようでな。すまないがどこか休める場所を頼めるか」
「かしこまりました。では、こちらへ」
(先程女性二人が入っていった休憩室へと歩いていくスタッフらしき人物)


(休憩室の手前まで秋本に肩を貸していく。と、扉の目の前で手で制される)
「何の真似だ」
「申し訳ございません、あとは私どもでお連れの方を介抱いたします。ので、貴方様にはお席に戻って食事を続けて貰います。ご注文の品はまたお作りいたします」
「……こいつはおれのツレだ。此方で面倒を見る」
(スタッフを押し退けて休憩室の扉を開ける)


(休憩室には数人の女性が具合悪そうに座っている)
「(さっきの女二人もいるな。ここの料理が原因か、それとも……!)」
(訝しむ承太郎の視界端に誰かが入ってくる)
「なぜ、ここに男性が入ってきているのです?」
「ツレの介抱だ、安心しな。こいつが目覚めたらすぐにここを《ダァンッ!!》」
「……避けましたね」
「……いきなり何しやがる」
(包丁が壁に突き刺さっている)
「男の手垢が付くのは許しがたいと、私の店のオーナーはおっしゃいましたので」
「どういうことだ。それがおれとこいつに何の関係が「空条承太郎、様ですね」……てめえ、DIOの残党だな」
「いえ、私を雇っている方はまた別のお方です。だがそんなことは関係ないッ!なぜなら空条承太郎、ここで貴方はゲームオーバーだからだッ!!」
「ぬかせ」
「ほう、そんな大口を叩く暇はあるんですかねえ」(好きなジョジョ立ちをお入れください)

「“サンタ・グレール(聖杯)”ッ!それが私のスタンド名!」
(法王のようなマントを身に纏った人型が現れる!)
「どこからでも攻撃してきなさい!それでも貴方は勝てない!」
「……やけに自分のスタンドに自信があるな。なんて能力だ」
「敵に教える必要がどこにある!」

「なら……こうするッ!」ドゴォッ
(承太郎が秋本を担ぎ上げ、スタープラチナが天井を打ち砕く!)
「なッ!何をする気だ空条きさまッ!」
「教えないならしょうがねえ。こちとら顔もスタンド能力も割れている上に味方がこの有り様だ。じじいが昔究極生命体とやらと戦った時の台詞だぜ……

         “逃げるんだよ”」
(スタンドで二人分の体重を引き上げ戦線離脱!)

「……まあいいでしょう。秋本越美へのスタンドの効果は切れてしまったけれど」
「が、空条承太郎。貴様は“私の店の水を既に口に入れている”いつ異変が起こってもおかしくはない……

逃げられないッ!必ずまたここへやって来るそのときが貴様の最期だ!」
                  
       
          



続く                 

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