それ俺のスタンドです | ナノ
腹が減っては


《ッ!オラオラオラオララオラオラオラオラオラオラァ!!》
ジャキンッ!キンッ!ズバシャアッ!

(人気の無い空き地に響き渡る怒鳴り声、打撃音、斬撃音)
(それらは通常の人間には聞こえない音である)


《オラオラオラオラァァァ!》
ザシュ!ザシュ!
キン!
(最後の一撃を碇が弾いたところで物音が無くなる。と同時に承太郎はストップウォッチのカウントを止める)
「………丁度ピッタリ五分。フェイントもかわすとはな」
『全て見切れたッスよ承太郎!』
「まだ元気じゃあねえか(スッ)」
『すみませんもうヘトヘトなので一旦スターさん仕舞って下さい。また後でお話ししましょうねスターさん!』

(帰路につく二人)
「腹が空いた。この近くに飯屋はねえのか」
『無銭飲食しないんなら付き合うよ。と言ってもこの辺はあまり……』
(そこに現れる突然のモブ)
「美味しかったー!ねえねえまた行きましょうよ!」
「店も清潔そうだし、料理は最高だったな。いくらでも通いたいぐらいだ」
「今度はナナコとミキも誘っちゃおうっと」


『今の人、大通りから来たな』
「………ああ」
『行くか、気になるし』



(10分ほど歩いても目当ての店は見つからない)
『おっかしいな、さっきの人達が歩いてたからそこまで遠くないと思ったんだけど』
「おい、あれはどうだ」
(少し薄暗い路地の先に妙な建物が見える。店先には小さいボードに店名らしき文字が書かれている)

『「Santo Graal」?確かに料理屋っぽいけれど、本当にここか?』
「出てくる客を見てみろ」
(二人の男女が仲睦まじそうに店から出てくる)
「タイチくん、どう?美味しかったでしょう?」
「ああ、来て良かったよ」
「そう?嬉しいわ!」

『確かにここみたいだ。けど、いつの間にあんな所にできていたんだ?』
「行くぜ。我慢ならん」
『あ、待っ「何よ!もっと喜んだらどうなの!?」』
「きゅ、急にどうしたんだ?さっきまであんなに喜んでいたじゃあないか」

「あなたのそんなうわべだけの態度にいつも腹の中ではイライラしてたのよ!いいわ、私が徹底的にその性格矯正してあげる!!」
(持っていたハンドバッグを威勢良く振り回す女性、だが)
シャキン
「あ、あら?私のバッグが……」

『よし行こうか』
「………ああ」
『(さっきまであんなにラブラブだったのに、彼女は急にどうしたんだ?………人の恋愛事情に首を突っ込むのは野暮か)』


                          続く


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