それ俺のスタンドです | ナノ
エメラルドスプラッシュの威力


「アヴドゥルが数日取引先に出向くようなので、代わりに花京院が訓練の補佐に入ってくれることになったぞ」
『アヴドゥルさんって本業占い師ですよね?』
「なんだかそっち方面で名の知れた人らしく、大きい仕事も来るそうですよ」
『そうなのか。ところでなんで敬語なの』
「学生の身と言えど指導する立場ですから。態度も改めなければね」
『似合わない』
「なんだと?」
「いいから早く始めんか二人共……」






「ルールは簡単。僕が今からスタンドを使って攻撃するので、5分間避け続けてください」
『分かった』
「では………開始!エメラルドスプラッシュ!」バシュン!ドバァーッ!
(花京院の影から出現した法皇の緑が破壊エネルギーを噴射!)
ザシュ!ザシュ!
ザシュウウウッ!
(ネイビィ・ソードは本体を連続で切断、髪一重で全弾回避!)

「……ほう、前に比べてかわし方が上手くなっているようだ」
『連続回避も可能だ。練習したからね』
「ならば!」
(突然ハイエロファントの触手が地中から出現、秋本の四肢を拘束!)
『ぐっ……!』
「ふふ、これで逃げられないだろう」

『なんの!』
(碇が円を描くように触手を切断!)
「なっ!」
『私の武器は透過させずに物を切り裂くことも可能!まだまだ成長したこいつの能力をお見せしよう!』
「………甘いな」
『何?はッ!』
(切り裂いた衝撃で触手からエネルギーが飛び出す!狙いは秋本の顔面!)
「計算のうちですよそんな事!(至近距離からのエメラルドスプラッシュは威力抜群!突然の事に透過も間に合わんだろう!さあ、どんな手で切り抜ける?)」

(ククン、と膝を支点に体を折り曲げ回避!)
「何だと?そうか、必ずしも“スタンドを使って回避”というルールでは無いからな」
『あ、アッブないなあ、女の顔狙うとかさあーグヘブッ』
(陰に隠れて見えていなかったエメラルドが顔に直撃する)
「……やれやれですね」
「OH……」




(顔を保冷剤で冷やしている)
『………予想外だった………まさか30秒で撃沈とは』
「詰めが甘いんだよ君は。あのオカマ戦の時だって油断したから操られるはめになったんだろう?今回はそれの再現だ」
「何から何までとは言わんが、やはりある程度の事は想像しておかなくてはな。イメージトレーニングも忘れるんじゃあないぞ」
『はい』

「じゃが、自分の手札が増えたというのは進歩じゃな。自分で発見したのか?」
『いえ、その』
(ちらりとベンチに座り煙草をふかす承太郎を見る)
『あの人が指導してくれまして』
「承太郎がか?」
『うん。実はこの一週間ほど、承太郎が個人鍛練につき合ってくれていたんだ』
「そうか。だからあんな噂が……」
「噂?なんじゃ?」
「おい越美」

(もう一度承太郎に目を向けると、こちらに歩いてくる様子が見えた)
「おらよ」
『おう、スポーツドリンク。サンキュ』
(早速口をつける秋本、ベンチに戻っていく承太郎を見送る他二人)

「………蒸し返すようだが、あの人ってのは他人行儀が過ぎないか」
『っぷは、“彼”って言うとなんか誤解されそうじゃあないの』
「そうなのか?日本語は難しいのお」
『そうですね。言葉ひとつであらぬ疑惑が生まれるんですから。まあ良い三人称を考えておきますよ』
(興味無さげにドリンクを煽る)
「(男としては辛うじて見られてそうなんだがこれは………承太郎、ファイトだ)」




『(あ、このドリンクちゃんと薄めてある………後でお礼言っとこう)』



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