それ俺のスタンドです | ナノ
その力


「越美が……切り裂かれた!?真っ二つに!!」
「待て花京院、あれを見ろ!!」
(よろよろと数歩歩み出た秋本の後ろに落下してきた机が。しかし彼女には“既に斬られた様子はない”)

「ごめんなさい!ごめんなさあぁ〜い!大丈夫だったぁン?」
『う、うん、何ともない。平気だ』
「なら良いの!今うちントコの不良がケンカしてるのよぉ、キャッ!」
(女の子が頭を下げた拍子に筆箱が飛んでくる)
『うおっ』
「お、おい承太郎!」
「待て、ここはもう一度様子を見る」
ブワワッ……ザシュッ
(錨を持った腕のみが出現し本体を切断!落下物がその間をすり抜けていく)


パサッ(筆箱が地面に落ちる)
『え………今、確かに当たって……』

「おい……花京院今の……見たな?」
「ああ。まるで目の前で手品が行われていたような……そう、人体切断マジックのようだ!確かに彼女は僕たちの目の前で切り裂かれたのにッ!何事もなかったかのように断面が張り付いて女生徒と会話をしているッ!」
「ああ。……だが妙だな、越美のヤロー今の現象に困惑しているように見える…………まさか、」
「………制御は出来ていないと見た。身の危険を感じて勝手に発動したんだろう。さて……」


『当の本人を差し置いて議論するのは終わりにして貰えない?』
「!!………越美か。すまねえな」
「つい話し込んでしまってしまってね、さあ行こうか(演技ではなさそうだ……DIOの残党では無いか、肉の芽もないと承太郎は言っていたし……だが二重の意味で目が話せないというのは事実。敵でないか、また安全であるかを判断なければ)」
「……(花京院のヤツ、こいつを疑っているみてーだな…………判らんでもない、が……こんなに釈然としない気持ちは初めてだ)」
『もうすぐ始業チャイム鳴りそうだしね。行こうか』
(秋本だけが走って下駄箱へ、二人はそれを目で追いながら歩く)


「……(まあ……守ると言ったのは俺だ。最後まで面倒見てやるか)」


「(その力、僕が直々に見定めよう)」
「(その力、おれ直々に導いてやる)」



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