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お昼休み。
委員長に連れられて食堂まで来た。こんな豪華な学生食堂…金が有り余ってるんだなぁ。
「じゃあ、僕はこれで。」
え、こんな所に一人でいてどーすりゃいいの?
「良かったら一緒に食べない?」
「ごめん。友達が待ってるから。」
そう言って、社交性0の眼鏡は食堂の隅の方へ行った。その先には眼鏡と似たような感じの奴らがいた。
ハァ…とりあえず何か頼むか。
席に座り、近くのイケメンウェイターにAランチを頼む。
料理が来るまで携帯で遊んでいると、食堂内が黄色い歓声で揺れた。
何やらイケメンの集団が食堂の入口にいて、その中には朝の先輩がいた。
そして、何故か俺の方へ歩いてくる。
「やぁ、羽生くん。一人かい?」
「沢村先輩…はい、まだ友達がいないんです。」
「じゃあ、僕と一緒に食べないか?」
俺がしょぼくれていると、先輩はエンジェルスマイルを俺に送る。
「はい、是非!」
「沢村、こいつが例の転校生かぁ?」
先輩の隣にはもう一人目つきが鋭く漆黒の髪をした背の高い生徒が。
しかし、沢村先輩はその生徒の発言を綺麗にスルーした。
「シカトかよっ…よぉ、転校生。俺は生徒会長の海老原 伸司(エビワラ シンジ)。3年だ。後世まで覚えとけ。」
「おぅ。よろしくな。海老原。」
「!?」
「…はっ!?スミマセン、馴れ馴れしくて!!…裂綺羅めっ」
エビワラーは苦虫を噛み潰したような顔をしていて、サワムラーは腹を抱えて大爆笑していた。
周りの生徒もそんな沢村先輩を見て、驚愕の表情をしている。
「沢村っ!!いい加減にしろっ!!笑うなっ!!!」
「あははははははっ…!」
「わら、うなっ…わらうなよっ」
海老原先輩を見ると涙をポロポロと流して力なく沢村先輩を叩いていた。
「…泣くことないだろ。」
「お前が、無視したり、笑ったりして、俺にいじわるするから、だ」
何だ、この光景は…何だかホモっぽいぞ。沢村先輩が海老原先輩を抱きしめている。海老原先輩の方が大きいのに…。
そんなこんなしている内に俺の料理が運ばれてきた。
「…犬飼 朔(イヌカイ サク)。」
「は?」
「書記。3年。よろしく、羽生…くん。」
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