(2/3)
「君、瀬戸君でしょ?」
「あぁ?」
前方から声を掛けられて顔を上げると見知らぬ制服を来た男が3人。
髪の色がどいつも奇抜。アクセサリーもジャラジャラ。どこかの先住民みてーだ。まぁ、そんな冗談は置いといて。如何せん顔が悪だった。
…不良だ。初めて絡まれた。
「…いや、小山だけど。」
「嘘言っちゃいけねーよっ」
「あぁ、お前が高橋と仲がいい事は調べ済みなんだよっ」
…やっぱり高橋関係かよ。
「あっそ。…で、俺に何の用?」
「まだ自分の状況が分かってねーみたいだなっ」
「俺らは以前、高橋にボコられちゃって頭きちゃってるんだよねぇ」
どこでもケンカしてんじゃねぇよ高橋…
「あぁ、そうなの。でも俺には関係ない。」
俺がそう言うと不良たちが爆笑しだした。
だから、俺も一緒になって笑ってみた。
「何でテメェが笑ってるんだよ。」
…こっえー。さっきまで笑ってたのに…
「俺ら苛々してんだよね。君、俺らのサンドバッグになってよ。」
「お前には悪いが、恨むなら高橋を恨みなっ」
不良たちはいつの間にか俺を囲っていた。
ヤベェな。腕に自信あるったって、ケンカしたことねーし。相手3人だし。
まず、無傷じゃいられねーな。
「…いいぜっ、来いよ。全員病院送りにしてやる。」
俺は精一杯の啖呵を切る。
「…ふざけんじゃねーっ」
「ぶっ殺してやるっ!」
そして、どんよりとした空に拳の音が鳴り響くのであった。
← →
戻る