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俺は相手にするのが面倒だったから寝たフリをしておいた。


てか、今何時だ…?
アイツ俺に何の用があるんだよ。


「おい」


声が近い。


奈良崎はベッドの俺が眠っているすぐ横に来たようだ。


「…起きてるか?」


奈良崎は俺の意識を確認しつつ、腰を下ろした。


「…今までどこほっつき歩いてたんだよ。」


俺が眠ったフリをしている事に気づかずに話し掛け続ける間抜な奴。

今、起きたらどんな反応をするんだろうか。想像しただけで笑えてくる。



「俺はなぁ、お前の居ない間…お前の事ばっかり考えてた。」


…は?…何言ってんだ、コイツ?


「お前が俺の事嫌いなのは知ってるけど…俺はお前の事が………好き、みたいだ。」


ドクンッ



俺の胸が大きく脈打つ。



「なぁ…何で最近、俺に触ってこないんだよ。」


奈良崎は俺の胸に頭を乗せた。




やめろ〜…っ!!!頼むから、今はやめてくれぇ〜…っっ




「…こいつ夢の中でもドキドキしてる。…どんな夢みてんのかね。」


つくづく、こいつが馬鹿でよかった。


「…俺には、もう飽きたのかな。」


奈良崎はボソッと呟いて、俺から離れる。


「おやすみ…要。」


俺の頬に柔らかいものが降ってきた。

それは温かくて、少し湿り気を帯びている。








…キス、…された?



奈良崎の足音が遠くなって、ドアが閉まる音が響く。



奈良崎が居なくなった後、思い出したように俺の心臓がドクドクと脈打った。








アイツ…俺が好きなのか?






好き?


好きって、何だ?




俺達は男同士で…








俺は…アイツをどう見てたっけ…?



メス、性奴隷、肉便器。



うん、正直そう思ってた。






でも、アイツは俺を、好き…?






好きって…何だっけ。






すげぇ、空しいものに感じる。













俺はいつの間にかまた、眠りの世界に旅立っていった。







◆◇◆



翌朝、目覚めるとリビングから音が聞こえた。




俺は自室を出てリビングに向かうと、何やら奈良崎がキッチンに立っていた。


奈良崎の背後に立ち、少し強めに奈良崎の安産型のケツを掴む。


「いぃ”っ…!!」

「おはよー、奈良崎。」

「…お、はよ。」


奈良崎は俺の手を引き剥がす。



「今朝は早いな。」

「まぁな、飯食うか?」

「奈良崎って料理出来んだ。」

「…簡単な物ならな。朝飯の前に顔洗って来いよ。」


奈良崎は俺を邪魔だ、とキッチンから追い出す。


俺は特に抵抗もせず、バスルームに向かい、ついでにシャワーも浴びる。


制服に着替えてリビングに向かうと朝食が出来ていた。


「…本当に簡単な物だな。」

「…いらないなら食うな。」


奈良崎はムッとして答える。


そこには、ご飯と味噌汁と目玉焼きがあった。


 





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