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指名された時は肝を冷やしたが、ノヤっさんに代わってくれと言われてホッとした。正直、こんなにスガさんを恨んだ事はないし友人の目の前で友人の彼女とキスをするなんてとんだ罰ゲームだ。

勢いよく花田の前に進んだノヤっさんは一言二言花田と言葉を交わし、ちゅ、と唇に触れた。その背中は男らしくてさすがだぜノヤっさんと思わずには居られない堂々たるもんだった。ノヤサンオトナダ、と片言になっている日向よりは少しは俺にも耐性があって良かった。と思ったのも束の間、何度も何度も繰り返されるその行為に言葉を失う。

付いては離れ、離れてはまた付くを繰り返している内にスイッチが入ってしまったのか部室に転がる二人。

「これ、やばくねえか…」

「あ、ああ…」

近くに居た成田に言うも言葉は出ても動けない位に魅入ってしまっている。ピチャとかクチャとか表現出来ないようなそんな音が響いて、ノヤっさんが角度を変えて花田に顔を落とす度に『ん』とか『ふ』とか吐息みたいな声まで聞こえて、こんなのAVなんかとは比べもんになんない位に刺激が強い。止めなきゃいけないのは頭でわかっていても、もっと見ていたいという欲求には勝てなかった。

「夢子…」

声に余裕が無くなったノヤは花田を下の名前で呼んで、更にその手が花田の制服の中に入る!と思った瞬間にスガさんは一早く我に返ったのか俺を呼ぶ。

「田中田中、まじでやばいこれ。色々やばい。てか部室でこんなんバレたらまじでやばい」

スガさんのやばい連呼に俺もさすがにこの状況のやばさを思い出して大地さんの顔が浮かぶ。ああ、そこにバレたら命ないかもしれないと焦って『ハイそこまで!』とノヤを花田から引っぺがす。

ノヤっさんの息はかなり上がってて、それでも我に返ったのか『わりぃ』とかなんとか小さく聞こえた。花田に至っては頬は桃色で唇なんてぷっくりと真っ赤だし現実に戻れていないのかぽーっとした表情。さっきまでノヤとキスしていたそこを指でなぞる姿がめちゃくちゃエロくてそそられる。どう声をかけていいのか分からずにうっと声をつまらせていると俺の手を振りほどいたノヤっさんが自分の学ランを脱いで花田の顔めがけて投げつけた。

「だめだ!見るなぁぁぁぁぁ!!」

あぁ確かにそれは自分以外には見せたくないよな、だってめっちゃ色っぽいもんな。学ランで隠した挙句その上から抱きしめて包み込むよな、花田ってあんなエロい顔するんだな。普段あんなでもこういう時こんなならもうほんと、アレだよな。

リア充爆ぜろ。



20141004


これノヤ完全に下半身おっきしてると思います


mae ato
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