「え、今の…」
「ディメンターよ。多分シリウス・ブラックを探しているんだと思うわ」
「それもそうなんだけど……君はパトローナスを呼べるんだね!すごいな!」
「ありがとう。去年、興味があってやってみたの。人によって姿が変わるから自分はどの動物なのかなって。結局普通の猫だし、ちょっと時間かかっちゃったのだけど」
「いやいやすごいよ! この学校で出来る人なんて居ないんじゃないか?」
「先生は出来るはずよ。それにセドリックだってすぐ出来るようになるわよ」
そう言ってセドリックの方を向くと、さっきまで気づかなかったが胸にバッチが付いている。監督生バッチだ。
「っていうかセドリック。なんで監督生なのに此処にいるの?」
「ああ、見回りから帰って監督生用のコンパートメントを開けようとしたら、なんか、その…いい雰囲気だったから入れなかったんだ」
「なるほど。でも監督生ならもう一度見回りに出かけた方がいいと思うわ。ディメンターのせいで気分が悪くなっちゃってる子がいると思うし」
「そうするよ。今チョコを探しているんだ」
さっきからゴソゴソしていると思ったらチョコを探していたらしい。しばらくして無事にチョコを見つけたセドリックはコンパートメントを出ていった。ルイはまた暇になったのでとりあえずローブへ着替えたが、ディメンターのせいで1人が怖く感じた。早く誰かに会いたくなって廊下へと出た。
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セドリックが引き返して来なかったからてっきりディメンターはもう居なくなっているものだと思っていた。それなのにルイが少し進めば、コンパートメントを覗き込む黒い影。咄嗟に握っていた杖を向け守護霊を呼び、追い払った。先程のようにコンパートメントから追うだけではまた来てしまうと反省したため、汽車の乗車口まで追い立て、外へ出した。
誰かいないかとコンパートメントを見て行ったが、何処もドアを締め切っていて入れるような雰囲気ではなく、しかも仲のいい友達も見当たらなかったので、ルイが1人でコンパートメントに戻るとドラコが戻ってきていた。クラップとゴイルも居り、3人とも恐怖で震えていたのでクラップの持っていたカエルチョコを食べさせた。暫くすると落ち着いたドラコは心配して訪ねてきたパンジー・パーキンソンからハリーが気絶したという話を聞き、またハリーを探しに出ていった。どうやらいつもどうりの意地悪ドラコに戻ったらしい。ドラコって、ほんとハリー大好きよね。
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