◎さんねんせい◎


今年はシリウス・ブラックという極悪犯がアズカバンから脱走したらしい。一昨年はヴォルデモートが教師に取り憑いていたし去年もヴォルデモートの分霊箱が人を殺そうとするし私達が入学してからロクなことがないわね、と優雅に紅茶を飲みながら日刊予言者新聞を読んでいるのはルイ・ウィーズリーである。

ウィーズリー家と言えば純血でありながら純血主義を否定しマグルを擁護する一族として有名であり、ルイの父親であるアーサー・ウィーズリーはマグルに興味津々で仕事もマグルに関係するものである。だから兄妹達は純血を毛嫌いしている__ルイ以外は。

ルイは個性豊かなウィーズリー家の中でも異様である。なぜならルイの友達はスリザリンの生徒が多いのだ。本人曰く馬が合うらしいのだが、家族にとっては喜ばしいことではない。最初は考えを改めさせようとしたが「血で人を判断してはいけないのになぜ寮で判断していいのか」「寮で人を見ていては人の本質を見抜けない」というルイの意見は間違っていないので何も言えないし、他の寮のレイブンクローやハッフルパフ生とも良好な関係で、寮に関係なく友達がいるのがルイという人なのである。



「おーいルイ、明日の用意しとけよ」



そうルイに声をかけてきたのは双子の兄であるロン・ウィーズリーだ。双子といっても2つ上のフレッドとジョージの双子のように似てないし仲良くもない。原因はロンがルイの友好関係を快く思っていないからだ。別に仲良くなろうとも思っていないけど。

ルイはとりあえず明日の準備をしなくては、と探知不可能拡大呪文が掛かっている1番上の兄であるビルに貰ったリュックに着替えやらなにやら旅行に必要な物を入れた。
明日は父であるアーサーがガリオンくじで当ててきたエジプト旅行に行くのである。楽しみではあるけど暑さはこたえそう。でも学校の外で魔法は使っていけないし…


あ、ビル兄に魔法かけて貰えばいいじゃないの。

そう思いつくなり部屋を飛び出した。


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