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僕の隣にいてください-02- 喜八郎side

すぅすぅと耳に届く寝息。
声をかけてすぐに寝入った蓮夜さんに僕は珍しいなと感じた。

「それだけ疲れてたんですねえ…。」

忍務明けなのに慌ただしく蓮夜さんが動き回っていたのは知っていたけれど、こんなになるまで働いていたなんて。

こっそり休んでいればいいのに。
なんて思ったがいつも真面目な蓮夜さんがそんなことするはず無いか、とくすっと笑った。

よし、こうなったら蓮夜さんが疲労困憊になるまで働かされた恐らくの原因である彼を近々僕の蛸壺に招待することにしましょうか。

「今度、特別大きい僕のターコちゃんに小松田さんを落としておきますねえ。」

もちろん反応は何も帰ってこないけど、僕は満足気に笑う。

とその時、こてんと僕の肩に蓮夜さんの頭がのった。

顔を横に向ければ、ふわりと優しいお日様みたいな香りが鼻をかすめる。それに寝顔は普段と違って少しだけ幼く見えた。

「今日の僕、ついてるかも。」

初めて見る蓮夜さんの表情に嬉しくなって頬が緩む。



立花先輩が来るまで、もう少し僕に貴方を独り占めさせて下さいね。

蓮夜さんの耳元でぼそっと呟いた言葉は僕だけしか知らない秘密の言葉。


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