絶対服従
「取り敢えず、俺より先に風呂に入るな。俺のものは俺のものでお前のものも俺のもの。部屋以外で話し掛けんな寧ろ部屋でも発言する時は俺に断りを入れろ。家事は全部お前がやれ。俺が呼んだら3秒以内に来い。雑用は全部お前の管轄だ。俺の事は清隆寺様か雅兎様と呼べ。あと、間違っても俺に反抗もしくは奇襲とかすんなよ?そん時は埋めてやる」
何処に!?
なんてツッコミも許されないんだろうな。
話す時には断りを入れなきゃいけないらしいし。
つーか、俺、この先やっていけんのかな…
今は清隆寺…様の命令に従って彼が座るソファの前で正座して話を聞いてる。
どうも自分より背が高い俺が気に入らないらしい。
正座自体は苦じゃないけど今の現状が苦過ぎる。
なんかもう、胃が痛い。
俺の様子なんか気にする事も無く指を折って俺に課せられた条件を述べている。
お前、もう凄いよ。
今の姿に憧れはしないけど素直に凄いと思う。
見えない絶対的な力を感じるし。
おまけにイエスかハイしか選択肢を与えないんだしさ。
「オイ、聞いてんのか?」
「あだっ、き、聞いてますっ!」
急に髪を鷲掴まれて抵抗する間もなく無理矢理顔を上げさせられた。
今、毛がブチッつったー…
俺の返答を聞くなり舌打ちをして頭を解放される。
「あと、テメェの目付きが気に入らねぇ。こっち見んな」
……それは流石に横暴過ぎるだろ。
自分で顔を上げさせといて…!
それに見るなとか、無理じゃねぇか?
人と話す時は目を見て話せって育てられてきたんだよ俺は。
「分かり、ました」
でも小心者且つあらゆる条件を課せられた俺は反論も許されないまま素直に頷いた。
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mokuji]