まさかの展開
俺の傍に居た親友が掲示板を見て良かったなって言った。
こいつは俺が清隆寺に憧れてるのを知ってる。
普通ならこんな事言えば平凡ごときが!とか何とか言われるけどこいつも俺と一緒で美形達に興味が無いらしい。
だから気兼ねなく話せるし、何よりも話が合うから一緒に居る。
まぁ、この親友も美形の部類に入るけどな。
入学式が終わると教師達は明日からの授業の準備があるからって授業は無い。
つまり、掲示板を見たら後は寮室に帰るだけだ。
俺達は各々の寮室へと向かった。
親友は306号室で隣同士だった。
憧れの人と同室な上に親友と隣同士とか出だしから俺はツイてる。
寮の入口で学生証を見せて部屋のカードキーを受け取る。
一歩一歩、自分の部屋となる305号室に近付くに連れて緊張が増していく。
親友の部屋の方がエレベーターから近かったから見送り今は扉の前。
部屋は305号室。
緊張した手付きで鍵を開け中に入ると共同スペースのソファに腰掛けている人影が目に入る。
憧れの、清隆寺の姿だ。
「君が同室者、かな?」
立ち上がって首を傾げてくる清隆寺。
やっぱ間近で見るとオーラが凄いわ。
「はっ、はい!」
緊張し過ぎてテンパった俺は敬語で答える。
それをおかしそうに笑う清隆寺。
「緊張しなくて良いよ。宜しくね、宮野」
俺の名前、知ってたんだ!
つか、知ってるよな。掲示板に書いてあったんだし。
これから三年間、楽しみだ。
「……何て言うと思ったかバーカ。テメェは今日から俺様の下僕だ。有り難く思えよ?」
一瞬、耳を疑った。
[
*prev] [
next#]
[
mokuji]