何が悪い! | ナノ
思考停止

 


頷くなり疾風は俺の体を軽々と抱き上げた。
疾風、力持ちだな。一応標準の体重はあるはずなんだけど…
なんてぼんやりと考えてる間に疾風の部屋へと移動した。

俺は落ちないように大人しくするのが精一杯で疾風に身を任せ漸くベッドに下ろされる。
そのまま直ぐにさっきのように深く唇が重ねられてまた力が抜けていく。

「ぁっんっんぅ…ぁっはや、てぇ…」

自分の声とは思いたくない程上擦った声が耳に届く。
顔に熱が集まるのを感じて気にしないようにと疾風にしがみつき夢中に舌を絡み合わせる。
口付けの合間に唾液を流し込まれて飲み切れない唾液が顔の輪郭に沿ってシーツに垂れた。

「はぁん…ぁう…」

今度は最後に軽く唇を吸われてから唇が解放される。
キスだけで既に十分過ぎる程体が高ぶって動けない。
疾風に回してた腕を掴まれ頭上で一纏めにされるとガチャンと音が聞こえた。
何の音か気になり視線を向けた先にはベッドヘッドのパイプに鎖を絡ませた手錠に拘束されてる自分の両手。
え……?
ゆっくりと視線を疾風へと向ける。


「優はさ、顔が良ければ誰でも良いの?」

急に紡がれた言葉の意味が理解出来ず首を傾げる。
さっきより落ち着いた様子の疾風が溜息を吐き、顔を近付け舌が垂れた唾液の痕のなぞった。

「しかも有栖川はあのままで妄想するなんてなぁ…俺はわざわざ女に置き換えるくせに」

「ぁっあっ、それ、はっ…」

それは疾風はどう見ても美形な男だからだ。
今のままの疾風を女として見ろと言う方が無理。
それに蓮ちゃんは確かに姿はあのままでも妄想の中ではれっきとした女の子に変わってる。
それを伝えようとするが疾風が俺の下着ごとズボンをずらして言葉が詰まった。
待って!今下ろされたらっ…


「優、キスだけで勃っちゃったんだ?」


解放されるなり勢い良く飛び出たちんぽを見て疾風が笑う。
もう、最悪。


 


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