何が悪い! | ナノ
女王様降臨

 


「女王様が食堂に来られたぞっ!」

「きゃーっ!今日も蓮様素敵ぃーっ!」

「うぉぉぉ!蓮様ぁぁ!俺を愛の奴隷にして下さいぃぃ!」


えっ、何事?
ここ、男子校なのに女王様がいんの?
この歓声具合からして多分かなりランキング上位の人か。
じゃあ妄想の為にも一度見ておかないと…!wktk!

なんて思ってると女王様こと有栖川 蓮(ありすがわ れん)様が俺達のテーブルの横を通り過ぎようとしていて思わず俺は顔を上げた。

色素が薄い茶色の柔らかそうな髪。
覗き込んだら吸い込まれてしまいそうな程深い碧の瞳。
象牙で出来てるんじゃないかと思う程白く綺麗な肌。
赤すぎないピンク色のふっくらとした唇。


完璧だ。
この人は完璧な美少女だ。
もうこのままで良くね?
このままの姿で十分じゃね?
逆にこれ以上美少女に変換出来ないから!
十分過ぎる美少女です変換しようとしてサーセン!


「…何見てんの平凡。お前ごときがこの蓮様を見るなんて千年早いよ」


偶然目があって笑みを浮かべるなり可愛らしい声で紡がれた言葉に俺は衝撃が走った。
ちなみに、俺が聞いた言葉は研ぎ澄まされた俺のフィルターによって内容はこのように変換された。


『ちょっちょっと何見てんのよっ!べ、別にあんたなんか見てないんだからねっ!調子に乗るんじゃないわよ!』


あの見た目でツンデレ、だと…!!
凄くイイ!!ヤバイヤバイ!!ハヤテちゃん越えキター!!
最初ではツンツンしてるんだけどめげずに攻略したら最終的に甘えたデレデレモードになるんですね分かります!!


「おい優、大丈夫か?」

「蓮ちゃん…凄くイイ」


俺は蓮ちゃんの後ろ姿をうっとりと眺めて小さく呟いた。
その時、疾風が見た事も無い黒い表情を浮かべているのも知らずに。


 


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