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俺の様子に驚いちゃってる雨宮さん。
ぶっちゃけ俺も驚いてる。
だって、予想してた以上に小馬鹿にした言い方になったから。
こっこっ、これで良いかなぁっ!?
蓮様の生き霊よ、俺に乗り移れぇぇっ!
「お、まえ…」
「誰に向かってお前なんて言ってんの?」
「!?」
やれば出来るかも。
さっきよりも爪先に力を込めて雨宮さん、いやもう思い切って雨宮と呼ぼう。
雨宮の股間を押したらビクッて震えてる。
しかも、爪先からドクドクって脈打ってるのを感じて硬くなってくのも分かる。
ホントにドMなんだね。
「何硬くしてんの?変態っ」
「んぁッ!」
若干口調が蓮様っぽくなるのはリスペクトしてんだから仕方ない。
一旦爪先を離してから少し勢いを付けて蹴ったら艶っぽい声が聞こえて俺の顔の横に両手が伸びてきた。
殴られるのかと思ったけど雨宮はただ涙を浮かべてうっとりと見つめてくる。
何て言うか…エロい。
ちょっと股間蹴っただけでこんな顔するならもっとしたらどこまでエロくなるのか見てみたい。
もっと虐めてみたい。
俺、Sの素質あるかも。
ほらほらっ、SとMは紙一重って言うし!
俄然やる気が出てきた俺は手を伸ばして雨宮の髪を鷲掴んだ。
「期待、してる?」
さっきのお返しと言わんばかりに手に力を込めて顔を引き寄せる。
あんなに怖く感じた人なのに今は全然怖くない。
睫毛長いなぁとか余裕で思えるぐらい。
俺の質問に素直に頷く姿が可愛い。
どうしよう。超楽しい。
無意識に笑って彼を引き寄せてピアスだらけの耳に噛み付いた。
小さく艶っぽい声が耳に届いて一層興奮する。
「選ばせてあげる。こことベッド、どっちが良い…?」
「ん、はぁ…ベッドが、良いです」
雨宮もスイッチ入ってるみたいでさっきまでの威勢が無い上に敬語で答える。
彼ならホントに良い犬になるよ。俺が保証する!
褒めるように思い切り耳を噛んでから手を離した。
縋るように見てくる目が堪んない。
まだ怠い腰を押さえてゆっくり立ち上がって強引に手を引きベッドへ向かった。
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mokuji]