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スタジオの前で停めてくれた運転手さんにお礼を行って車を降りた瞬間アキが凄い勢いで飛び付いてきた。
く、苦しい…!
桜慈いわく小柄なアキでも俺にとってはおっきい。潰されそう。
「お姫様ーっ!会いたかったよーっ!無事?昨日陵君に変な事されたりしなかった?」
「へ?」
抱き着いてきたかと思えば今度は俺の体を触って確かめながら陵を睨んで聞いてくるアキの言葉に声が裏返る。
アキ、いきなり何を…変な事?
昨日、何かあったっけ?
「陵っ!燈瑪に何をしたの!」
「内容次第では俺も黙ってねぇぞ!」
振り向いたら陵の顎を桜慈が、胸ぐらを徹が掴んでた。
なっ、何だこの状況は。
落ち着いてー!
昨日、何かあったっけ…?
「昨日、電話切られた後何かされたでしょ?」
「ああっ!」
あれか!そういや電話切られて…アキにも変な声聞かれてたのか。
誤解解かなきゃ。
「あれはじゃれ合ってただけだって」
「じゃれ合ってた?」
「うん。擽られたんだけど、触られた所が俺の弱点だったみたい」
アキを宥めるように頭を撫でてると背後から陵に抱き締められた。
「そうだよ。俺が燈瑪に何かする訳ねぇーだろ」
「「「説得力がない」」」
3人が綺麗にハモった。
何か陵、信用されてないんだな。学校では抱かれたいランキング2位だとか言われて人気のに…可哀想になってきた。
「燈瑪ー、ホントー?」
強引に陵を引き離させた桜慈が今度は抱き着いてくる。
俺もどさくさに紛れて抱き着いてみた。
「ほんとほんと。俺は桜慈に嘘つかないだろ?」
「うんっ」
うんっ、だって。ほんと可愛いなぁ。
桜慈甘い匂いがする…そういえば桜慈も甘いもの好きだしなぁ。
「あっズルイ!俺も燈瑪といちゃつきてぇ」
そう言って徹も混じってきた。
徹、同じぐらいの身長だから抱き着かれたら勢いでキスしそうなんだけど。
俺といちゃつきたいとか言ってちゃっかり桜慈にも抱き着いてる。徹は昔から桜慈にもなついてたしなぁ。
「なーんか可愛い状況だねっ。俺も俺もっ!」
更にアキが俺と徹に抱き着いてきた。
何だこの状況。この時期にこんなに密着すんのって暑くない?
「じゃあ俺も…」
「「「駄目!」」」
陵が近付いてきた瞬間3人に却下された。
ほんと可哀想になってきた…陵にも後で飴あげよ。
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mokuji]