声に乗せて | ナノ
再開

 


そして待ちに待った翌日。
宣言通り陵が手配してくれた車でスタジオに向かってる。
黒塗りでデカイ車って緊張する。
昨日は急に体触られたけどいつも通りの陵だったから気にしないでおこう。
多分、いつもみたいにじゃれついて来たんだと思うし。
うー、やっぱ休みの日も早起きはツライな。
眠くなってきた。
寝ちゃおっかな。

「燈瑪」

「ん?」

隣に座ってる陵に声を掛けられてうとうとしてたけど目元を擦って視線を向けた。

「何でコイツらも居るんだよ」

何でか不満そうに真正面を指差す陵。
俺も視線を向けて丁度俺と向かい合ってる桜慈が手を振ってきたから表情が綻ぶ。
桜慈の隣に座ってる徹とも目が合って手を振り合った。

「いいじゃんかー。僕だって燈瑪の練習してるとこ見たいよ」

ぷくってほっぺを膨らませてる桜慈が可愛い。
今日は学園の外なのに男っぽい格好をしてる。ちょっとスカートを期待したんだけどなぁ。
まぁ、どっちも可愛いから良いけど。

「そうだ。陵だけ付いてくとかズルイ。しかも燈瑪が連絡くれなかったら俺らに黙って行こうとしただろ」

桜慈の真似をしてほっぺを膨らませてる徹に笑いそうになるけど本人は真面目っぽい。
徹は学園から離れるからって今日は髪を立ててオシャレしてる。やっぱこっちの方が見慣れてるな。
てか陵はやっぱ連絡してなかったか。面倒臭がりめ。

「二人とも色々手伝ってくれてるんだし来てもいいじゃん」

特に徹は今日、朝からまた生徒会のメンバーと接触したらしい。
何でも昨日の夕食時に副会長とのフラグも立てたらしい。
その報告を聞いて目をキラキラさせてる桜慈が可愛いー。

「そろそろ着くぞ」

陵の声に反応して窓の外に視線を向けると懐かしい景色。
ライブに直接参加しなくても練習の時はいつもステージに来てたなぁ。
なんて思ってたら見慣れた建物の入口に見慣れた人影。
もうアキが待ってる。
アキ…いつから待ってたんだろ。
今、ちょっと早めの9時45分過ぎなのに待機してるなんて…帝にパシられてるんだな。
今度アキに飴あげよ。


 


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