声に乗せて | ナノ
初めまして、じゃなくて

 


終礼が終わると桐野に話し掛けられるよりも先に誰よりも早く一番に教室から出た。
俺にはやらなきゃいけない事がある。

「(帝に連絡しなきゃ)」

別に嫌じゃないけど此処は家と違う。
機材とかないし。
どうしたら良いのか相談しなきゃ。
それにちゃんと本人の口から復活するって聞きたいし。


今日も足早に部屋に戻りカードキーを取り出して部屋を開けた。
中に入るとリビングを見て立ち止まり目を見開かせた。
ソファーには陵と桜慈、それに昼休みに桐野が言ってた特徴に当てはまる人物。
何で皆いるの?
いつからいるんだろ。
何で誰かが部屋に来たら俺か陵の部屋に隠れるはずの桜慈が普通にリビングにいるんだろ。
何で転校生がいるんだろ。
陵が部屋に入れたとか?
陵まで落とされた?
いや、それなら桜慈がはしゃいでるはずだな。
じゃあスペアキーを持ってる桜慈が?
でも桜慈は勝手に知らない人を部屋に入れるような事はしない。
何で?

驚いて棒立ちしている俺に転校生が笑みを浮かべる。
前髪と眼鏡で表情が分からない。


「おかえり。早かったな」


その声を聞いて、何でがまた1つ増えた。
何で、俺が知ってる声をしてんだろ。


 


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