声に乗せて | ナノ
転校生のお話

 


前にkhaosを知ってるなんてうっかり答えた所為で桐野はいつもkhaos関係の話をしてくる。
主に姫の良さについて。
いや、そりゃ褒められるのは嬉しいけど面と向かってベタ褒めされるのはかなり恥ずかしい。


「ほら、桐野。HR始まるから」

「お、もうそんな時間か」

メールを見てまた固まってたけど持ち直した俺は話を切り上げさせて前を向かせる。
このままでは延々と語り続けるし。
桐野の笑顔をうっとり見てるのは良いけど俺を睨まなくても。
ただの友達なんだから心配しなくても良いのに。
顔が少し赤いのは桐野の笑顔を見たとかじゃないからね!
歌声を褒められて照れただけだから!
って、言えないよなぁ。



「お前ら、席着けー」


入ってくるなり良い声で周りに呼び掛ける担任。
この人も顔良いから皆素直に静かに席に着く。
本当に皆、自分に素直だなぁ。



HRも終わり授業を真面目に受けて今は昼休み。
今日は寝不足なのもあって弁当を作る気になれず朝学園内のコンビニで買ったミルクイチゴ蒸しパンを頬張る。
このパン、色が桜慈っぽいなぁ。桜慈、元気にしてるかなぁ。
なんて考えてると朝に比べて落ち着いた桐野が思い出したように口を開いた。


「そういや、隣のクラスに転校生が来たらしいぞ」


 


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