声に乗せて | ナノ
ごめんね?

 


それから生徒会の動きを教えてもらった。
明日には学校が設置しているものとは別に新たに監視カメラを設置するらしい。
設置されるのは今まで白の王子様が現れたと言われてる場所と外から出入りする場所。
幸い紅百合との境界の鉄格子の周りには1台も設置されていないらしい。

「まぁ、カメラを設置したのは半分アイツの趣味だろうが」

溜息混じりに呟いたみっちゃんの言葉が気になったけど今はみっちゃんに教えてもらった監視カメラの位置をメモしなきゃ。
結構あるな…桜慈が目撃された場所というより目撃された場所とそこに向かうまでに通ったと思われる場所に設置されてる。


「最後に燈瑪、会計の佐々木には関わるなよ。あいつは秋正さんには劣るけどハッカーとしてはかなりの腕だ。それに頭の回転が早い。お前の名前だけでも勘付くかもしんねぇから絶対関わるな」

念を押すように言われたけど…どうしよう。
そんな人とは知らずにもう関わっちゃったし…名前、言っちゃった。
しかも歌っちゃった!
どうしよっ、こうなったら何かお菓子とか賄賂っぽいの送って黙っててもらうしか…!

「そんな気ぃ張んなって。俺が気を引きゃ燈瑪の事はバレないって」

「徹…ありがと。みっちゃんと陵もごめんね」

「気にすんなって。んじゃ徹、帰るぞ。今頃蓮華が探し回ってそうだしな」

「おうっ。じゃあ燈瑪と陵、またなっ」


部屋を出る頃には立派な王道転校生に戻ってみっちゃんと一緒に出ていった。
ドアを開けた時に歓声とか聞こえなかったし誰も居なかったみたいで良かった。


「陵?」

さっきから話さなくなった陵が2人が出ていくなりしっかりと腰に抱き着いて首元に顔を擦り寄せてる。
陵も巻き込んじゃったんだよな。

「ごめん、ね?」

俺の声に反応してか顔をぐりぐり押し付けてくる。
これはさすがに擽ったいぞ。
てかさっきから顔を上げてくれない。
こんな事をしててもやっぱ怒ってるんだろうな。

「燈瑪…何であんな噂流したんだよ」


 


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