「
いとこ以上、」
なあ、いとこって結婚できるらしいぞ
◆宿題
とうとう夏休みの残す所5日。
遂に、母ちゃんのばあちゃんのテッツイがオレの頭に下された。
なので、宿題やってます。
「勇気は?」
机に向かうオレから離れて、ぼんやりと外を眺めていた勇気にちらりと視線を送る。
「終わったよ」
「え? いつ? へ? いつやったの?」
「朝とか……?」
「うへえ。マジかあ……」
この裏切り者、とか思わないでもないけど、やらなかった自分が悪い、分かってる。
むしろ、オレが一緒に遊べないから、勇気が暇そうだ。
こっちに友達いないもんな。
こんなことなら、ダチからの誘いを全部断ったりしないで、勇気と会わせておけばよかったかな。
そしたら、オレがいなくてもそいつらと遊べるし。
……でもなんか、それもちょっとヤな気がするぞ……。
「どこ?」
「ん?」
「唸ってるから。分からないんじゃないの?」
いつの間にかオレの横に来てノートを覗き込む勇気が首をかしげた。
近くて、勇気の甘い匂いがして、びっくりした。
「あ、と……教えてくれるの?」
「ん。わかるとこなら」
「うわ、それ超助かる!!」
がばっと勇気に抱きついて、直ぐに離れて机に向かう。
おおおおお!!
やべえ!!
思わず抱きついちゃったよ。
やべえよ!!
キモって思われたかも?
バクバクと心臓が煩い。
ちらりと勇気の顔を見ると困ったように笑ってた。
なんか、ちょっと顔が赤くなってて。
勇気は白いから直ぐに分かる。
俺は、今きっと真っ赤だから、真っ黒に日焼けしてて良かった。
勇気のおかげでばりばり宿題も進んで、母ちゃんとばあちゃんに褒められたぜ。
勇気が。
◇ ◇
夏休みが終わったら、家に帰れる。
嬉しいけど、……正義と遊べないのは寂しい。
凄く寂しい。
だから、あと少しだけど、いっぱい一緒にいたくて。
邪魔にならないようにって思ってたけど、正義にいっぱいありがとうって言われて嬉しくなった。
勇気がいてくれてほんとに良かった、だって。
オレ、ここにいて、良かった。