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みんなのうたうたい

どんな色がすき

魔物×家畜(人間)
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『変人』

同族の友人は僕をそう呼ぶ。
あ、人じゃないけどね。


僕たちは人間から生気を貰って命を繋いでいる。
自ら何も生み出すことのできない儚い種族だ。
そう思っている。

そう言うと、やっぱり変な目で見られるんだけどね。

確かに人間は小さくて、力が弱いけれど。
生命力に満ちた彼らは、とても美しいと思う。


「今日も綺麗だね、ロート」

小さな窓から差し込む光の下、寝そべったままの青年の髪の毛を掬う。
炎のように色を変えるその束に挨拶代わりの口付けを落として、すぐ隣に座る壮年の男に視線を移す。
下を向くその顎に手を添えて微笑みかける。

「ブラオ、こちらを見て」

大人しく顔を上げた男が、ゆっくりと瞼を開いた。
その湖の底のように深い双眸に見惚れる。

「ああ、グリューネもおはよう」

ブラオの肩に凭れ掛って眠っていた青年が、ぼんやりと僕を見上げてふわりと笑った。
ちゅっと瞼に唇を落とせば、瞬くエメラルドの瞳が零れ落ちそうだ。

「おっと」

後ろから小さな体に抱きつかれた。
くすくすという笑い声に、腰をかがめて視線を合わせると頬に可愛らしいキスが落とされた。

「元気だね、ゲルプ」

金色の髪と目が、きらきらと輝いている。

「うん、元気。……ロートとブラオは元気がないね」

「うん」

寂しそうに言うゲルプの頭を撫でてやる。

そうか。
そうだね。
先になくなったら寂しいよね。

それなら。

「今日はゲルプが一緒に来るかい?」

「!」

ぽっと顔を赤らめた少年の背中に手を添えると、微かに頷く。

そうだね。
今日は君から頂こう。


大事な大事な僕の家畜たち。
愛しくて堪らない可愛い子たち。


友人たちのように無差別に頂くなんて、とても考えられない。
やっぱり愛しい物から頂くのが一番満たされると思うんだ。

愛して愛して。
愛した分だけ、命をすり減らす彼らを更に愛しく思う。
愛しさが増して、つい貪ってしまいたくなる。




みんないっしょになくなるよ




さあ、おいで。
愛しい子。


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