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Odyssey



村長息子×隣村の青年
結婚からの始まり
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掟は、絶対に守らなくちゃいけないから、掟な訳で。

隣の村からやってきた青年と顔を見合わせて、お互いに微妙に強張った顔で微笑み合う。
つまり、俺たちは、掟に従って結婚しなくちゃいけない、んだろう。


隣村とは古くから紛争が絶えなかったらしい。
それを憂いた何代か前の両村長によって定められたのが、この掟。

8年に一度、両村の16歳になる若者同士が夫婦の契りを交わす事。

親類が多くなれば自ずと仲も良くなるだろう、という安易ではあるが、中々に効力のあるこの掟。
お互いの村の威信をかけて選ばれた、最も器量がよく、優しく、賢い16歳を着飾らせて、盛大に結婚式が執り行われる。

今回は俺の村が娶る側。
残念ながら、うちの村で今年16歳を迎えるのは俺ただ一人。
無投票当選ではあるが、俺だって村長の息子だ。
頑張って良い夫になろうと思っていた。

宴の準備をして待っていた俺たちの元に、隣村の一行が到着。
迎えた輿の中に座っていたのは……。

「男、だよな」

「男、です」

お互い、もう、なんちゅうか笑うしかない。


どうやら、隣村にも16歳は一人しかおらず、そしてそこに、連絡の行き違いが加わった。
間違いだとは分かっているが、こうして来た者を返す事はできない。


微妙な雰囲気の宴に耐えて、二人で部屋に下がる頃には疲れ切っていた。

「どうぞ、入ってください」

俺も疲れたが、遠方から来た彼の方がよほど疲れているだろう。
直ぐに休んでもらった方がいい。

「あの、僕、どうすれば……」

「あ、今寝床を用意しますので」

「!!!?」

突然びくりと体を揺らして真っ赤になった青年に首をかしげる。
何かおかしな事を言っただろうか?
寝床を用意して……ねどこ……。

「……あ゙っ!! イヤ、ちょっと! 違っていますよ? 寝てもらおうって……あ、いや、いやいやいや、その、お疲れだろうからと……!」

慌てふためく俺の様子に青年から笑い声が上がる。

「あ、はっ! やだ、ごめんなさい! っはは! くふ……」

「いや……はは! まいったな」

頬を赤らめて笑う青年の朗らかさに、俺の気持ちまで朗らかになる。

「お言葉に甘えて、休ませていただいて良いですか?」

「ああ、今……」

「お手伝いします。夫婦、なんですから」

ちらりと恥ずかしげにオレを見る綺麗な二重に胸がドキリと弾んだ。
初夜という言葉が頭に浮かんで、顔が熱くなる。

「どうかしました?」

「いや! いや!」


俺たち、多分うまくいく。
それは俺の願望だろうか。
いや、きっとしてみせるさ。


なにせ、俺らは夫婦なんだから。


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すったもんだありながら、恋心を育てていくのでしょう。
初めは友達のように。
でも意識しあって微妙な距離感で。

あーじれったい!
て感じがいいですね!


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