死神の帰る場所

死神の帰る場所07

脂肪と筋肉で丸く張った私の尻たぶを、大きな手がもにもにと揉む。
指が食い込むのが、矢鱈と恥ずかしい。

尻の穴にだね、ナニを入れるんだよね？
分かってるんだけど。

「……入れ……るの……？」

……入るんだろうか？
その。
ナニ、が。

「入れる」

「ンあ！　う……」

生暖かい舌が首の筋を這って、ブルブルと体が震えた。

ああ、もう。
不意打ちはナシだよ。
また腰が熱く痺れてしまった。

顔を上げた治仁くんをじっと睨み付けると、微かに首が傾むけられた。

「……嫌？」

「え？」

私の頬に手を当てて親指で唇を何度もなぞりながら、無表情で見下ろしてくる。
唇がすぐったくて、切なくなってくる。
触られている唇を動かす訳にもいかなくて、自然と瞬きが多くなった。

嫌って……私が、治仁くんに、入れられるのが、嫌って事？

「まさか！」

嫌なんて、これっぽちも思っていない。

あ、あのね、不安はあるよ。
怖いなあ、って気持ちはゼロじゃないけど、嫌な訳ない。
こんなに浅ましい格好をさらしている私にそんなことを聞くなんて、ナンセンスだと思うけどなあ。

もぐりと、親指を咥えて舌を絡めてみた。
少し塩気を孕む硬い指先。
治仁くんの一部だと思うと、愛しくて愛しくてたまらない。

唾液を溜めて、ねっとりと動かせば、治仁くんの口角が微かに上がる。
格好いいなあ。
ぼんやりと見ほれていたら、大きな手が下着の中に進入してきた。

「う、おおっ……っン、な、あ、あ」

乾いた手に包まれたペニスが、興奮でむわむわと蒸れている様な気がする。
うわあああ。
恥ずかしすぎるよ。

治仁くんの手を引き寄せて、その腕で顔を隠した。

自分以外の手がここに触れるのはいつ振りだろう。
ヤバイ。

「……あ、ア……ひ、ん」

気持ちいい。

躊躇いなく追い詰めるように上下する手に、否が応でも体は反応する。

治仁くんに見られながら、その手で扱かれているんだと思うと、もう堪らない。
頭の中が真っ赤に染まって、ぞわぞわと肌が粟立つ。
空気の動きですらなんだか感じてしまって、おかしいよ、私。

摩擦にぬめりがあるのは、私の先走りだろうか。
恥ずかしい、けど、ああ、腰が溶けそうだ。
このまま腰を振って刺激を貪ったら、涎が出るほど気持ちいいんだろう。

でも。

「ま！　って……。ね？　はる、ひと、っん、ちょ……と、まって！」

下半身で暴れる治仁くんの手を引いて、その甘すぎる誘惑を断ち切った。

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