collar
緑と青
02

促されるように正面を向くと、深淵を切り取った様な双眸が#10を見つめていた。
膝に上って向かい合って座る#5の瞳を見上げる。

「どうしたの?」

滑らかな白い手を優しく掴んで口元に寄せる。
啄むようにキスをすれば#5の頬がうっすら色づき微笑がこぼれた。
擽ったそうに手を引っ込めようとするのを留めて、指先に舌を這わせる。
ひんやりとした長い指は涼やかな味がした。

「……ん」

真っ白な頬を染めた#5の漏らした小さな吐息に、#10の体がむずむずと反応する。
名残惜しく思いながらもねっとり絡めた舌から白魚を解放すると、褐色の柔和な顔ににっこりと笑みを浮かべる。

「#5? 僕、気持ちいいことしたくなっちゃった」

膝の上でもじもじと落ち着かない#5を誘惑する。
ひゅっと息を飲み込んだ#5の瞳が期待に満ちて潤んできた。
ドキドキという早くなった鼓動が聞こえる。

恥ずかしそうに目を伏せた#5が、ゆっくり頷いた。

「行こう」

手の甲にキスを落とすと、立ち上がるように促す。
そのままもつれるように直ぐそばの#5の部屋へ雪崩れ込んだ。

小柄な#10にのしかかり、覗き込むように腰を折った#5が熱い息を吐きながら拙い動きでキスを強請る。
顎を支えて導くと、#10の口内にひんやりとした舌が遠慮がちに侵入した。
キスに応えながら、#5の体をぴったりと包む布を器用にくつろげていく。

「ん……あぁ……」

瑞々しい肌に触れると、悩ましく眉を寄せた#5が身を捩った。
何かあれば#10が丹念に治癒する為傷ひとつない肌の触り心地にうっとりと満足する。
ほっそりした腹から色素の薄い胸の突起に手を滑らせた。

「っふあぁ! あ、ン……」

摘んで捻る様に引っ張ると#5の腰が淫らに揺れる。
少し強い刺激がもたらす痛覚は、イメージを発動させて散らす。
後に残る痺れる様な快感だけが#5の体を駆け抜ける。

「ああっ! なめちゃ……い、あぁぁん」

右の乳首を摘みながらもう片方を舐めしゃぶると、#5が耐え切れないと言う様に、#10の頭を抱え込んだ。
腰まで伸びた軟らかな髪が揺れて#10の腕に巻きつくが、その戒めは弱く、動きを制止させるものではない。
硬く勃起した突起を前歯で軽く噛むと、背筋を走り抜けた快感に#5の膝ががくりと折れた。

「気持ちいい?」

抱きとめた#10が#5の耳に唇を寄せる。

「あ、はっん、チいい……」

清純な外見と裏腹に、一度火照った#5は淫らだ。


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