collar
茶と赤
02

#9に蹂躙されている口元からは、飲み込みきれない唾液が顎を伝っていた。

「きもち、イ……うぅ、あはっあ!!」

「ああ、イイよ。達っテ」

「んっ! は……あ……」

#9が手の動きを早めると、#3が息を詰めて切なげに眉を寄せた。

「ふ……ん……ンア、あ、あ、ぁぁあああああ……!」

ぎゅっと袖を掴んだ手に力が入って、#3の細い腰がしなる。
#9は掌に暖かな飛沫を感じた。
仄かに赤みが差した白濁は、見る間に#9の肌に溶けて消えていく。
#3の痴態にあてられた自分の熱はまだくすぶっているものの、不思議な満足感が広がっていく。

「ん……あ……」

身じろぎに視線をおとすと、#9の腕の中、口元をしどけなく開いたまま#3がぼうと褐色の顔を見上げていた。

「……#9…………?」

「ん?」

硬い髪の毛を撫でながら、#9が微笑む。
荒い息の中、かすれた声が妙に色っぽい。

「これ……俺がした?」

力の入らない腕を伸ばして#3の柔らかな指先が#9の頬に触れる。
ちりっとした痛みが走り、火傷していた事を思い出した。

「ああ、気にしなくてイイ」

「……ごめん!」

放出後の放心から意識が浮上してきたのか、おろおろしだした#3には自らのイメージを発動させた。

「問題ナイ。直ぐに治る。オマエはもう寝るとイイ」

#3の額にキスをする。

「……ごめ……ごめン…………ね」

すう、と一息吐き出して、#3の意識が急速な眠りに落ちていく。
体の疲労を取るために、少し深い睡眠に入るようにした。
暫くは起きないだろう。

「全く、心配させるネ」

毎度イメージの発動を暴走させて自家中毒を起こす幼さに溜め息を漏らす。
自らをも燃やし尽くしてしまいそうな勢いには肝を冷やす。

苦笑を浮かべた#9の唇が、#3の体に付いた水滴を丁寧に舐めとっていった。
全く反応を返さない少年の体に少し寂しさを感じながらも、深く眠りに付いている事に安心して、軽い体をそっとベッドに移動させる。

「お休み、イトシイ子」

漆黒に染まった髪の毛の感触を十分に掌で味わうと、#3をそっと布団に包みこむ。
その愛しい寝顔に微笑みを浮かべると、#9は部屋の明かりを落とした。




 ◇  ◇




#3「なーなー、#9ー」

#9「ン?」

#3「今度またお風呂入ろーぜ」

#9「イイけど、どうかした?」

#3「何かさ、#9服着てたしさ、ずるいじゃん?」

#9「ズルイの?」

#3「うん。今度はオレばっかじゃなくて、#9も気持ちよくしてやる!」

#9「(そっち?)//// ドーモ」



 ◇  ◇





ラブラブな二人です。
2012年9月拍手SS


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