「
童話体験」
にんぎょ姫
承
(ああ……王子)
ふわふわとした茂みの中にくったりとしたペニスがのぞいている。
微かに揺れるその部分すら愛おしい。
人魚姫は、慎重に王子の足を持ち上げ、膝を曲げて立たせた。
両足を開いて立たせると、その間に自らの体を割り込ませる。
体をかがめて、剥き出しの下肢に顔を寄せる。
茂みが鼻を擽るほどに近付くと、ふわりと雄の臭いを感じた。
人魚姫にとっては興奮剤そのもの。
思い切り吸い込むと、熱のこもった吐息が漏れ出る。
人魚姫の呼気に擽られて、王子のペニスがふるりと揺れた。
(感じてくれてる……)
喜びに心がうち震えた。
ひくり、ひくりと目の前で揺れる王子のペニスが人魚姫を誘惑している。
堪らず、そっとペニスにくちづけた。
もう一度。
もう一度。
柔らかなペニスをそっと指で支える。
(ああ……もう……)
人魚姫の劣情で熱くなった口内に、王子のペニスが迎え入れられた。
柔らかなその感触を舌と上顎で味わう。
先程よりも強く感じる雄の臭いが、人魚姫の脳髄から下半身にズクリと甘い興奮を伝えた。
恐る恐る舌を動かすと応えるようにひくりと震えて、少し硬度を持った。
舌を這わせる度に現れてくる形を確かめるように、重ねて舌を這わせる。
浮き出た血管の膨らみの一つ一つをも舌先で味わう。
すっかり立ち上がり、口に収まり切らなくなったペニスから先走りが溢れ出てきた。
鈴口に唇を当てて、ちゅっと吸い取ると口の中にいやらしい味が広がる。
(王子のあじ、美味しい)
人魚姫はうっとりと微笑むと、駄々をこねているように暴れるぺニスを宥めるようにくわえた。
喉まで深くくわえ込むと、快感を生むようにねっとりと舌を使う。
幹に絡めるように舌を動かすと、口に溜めた唾液が漏れて王子の茂みを濡らした。
じゅぷじゅぷと言うはしたない音に、自分が犯されているかのように錯覚してしまう。
後から後から溢れ出る先走りが喉を刺激して人魚姫の呼吸を荒らげた。
体の奥が熱い。
浅ましい欲望が、人魚姫の体に渦巻く。
(……王子……)
熱に潤んだ人魚姫の瞳が闇の中に光っていた。