眉毛を抜いていたはずだった。

「うっわ、妖怪」
「うっせ」

扉が開く音に振り返るとドン引きした表情をされた。
分かってる、分かってるから。

「眉毛誘拐されたんか」

眉毛全崩壊。
あとちょっと、もうちょっとで、気づいたらなくなっていた。あーあ。
にたり、と笑ってみれば仁王が、ひぃっ、なんて声をあげた。

ペンシルで眉毛を作る。
はよ生えてこいよ。なーむー。

「仁王、ハグ」
「ん」

眉毛復活により、恐怖が薄れたらしい仁王の腕に収まる。
眉毛消えるから、グリグリするのはやめた。

「もうよか?」
「だめ、あとちょっと」

もうちょっと。










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