「ねぇ雅治が王子様なのかな」

白馬に乗った騎士みたいなのがいいな。
頭の中でふんわり思い浮かべたらあまりにも似合いすぎて胸のあたりがむずむずした。
格好いいなんてもんじゃないし、似合いすぎてちょっと怖い。
王子様な雅治にキスされて起きれたら最高に幸せじゃない?
綺麗なドレスも雅治が見立ててくれるのだけ着るの。
夢見心地に世を広げていると雅治がドン引きした目で見てきた。

「なによ」
「ありえんと思って」

止まっていた動きを再開しながらそんな言葉を吐く。
なんですって!
薄っぺらなブックレットが頭の上に降ってきた。

「まずはバイトで貯金貯めてから」

2人で生活に困らないくらいになったら同棲しよ。
俺が就職して頑張るから、収入安定し始めたら結婚。
あー、何年くらいかかるかのぅ。
子どもの養育費も貯めんとな。

「夢がない!」
「現実みんしゃい」

がるるるるる、
睨みあって同時にそっぽを向いた。
お城めバイトなんてないのかなぁ。



ロマンチックに生きたいの!










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