「いつか刺されても知らないからね」

私はよくこの台詞を言う、ただの雅治のセフレだ。
彼といるのは楽しいし、気持ちいいし。
別段それ以上を望まなければとっても居心地がいい。
彼氏彼女になりたいねなんて思わないし、私だけを好きになってよなんても言わない。
この男には一体何人の女の子がいるのかも分からない。
1人ずつに嫉妬してみても、本命の子に嫉妬してみても酷く醜くなりそうだ。
残念ながらお互いを道具として使おうと約束した私たちの間にはそれらはなさそうだけど。
その女誰よ!なんて張り手を食らわされた雅治を爆笑したその時から何度だって言っている。

「いつか刺されても知らないからね」
「冷たいのぅ、守ってあげるーっとかないんか」
「そうだねぇ、大勢のうちの1人として雅治を呪ってあげるよ」
「ひぃ、怖」

半分だけ開けたカーテンの向こうの街灯が明るいから、笑っている雅治の顔がよく見えた。
いつか雅治が女の子に刺される時には全力で呪ってあげよう。


ジゼル










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