ふと、目が覚めた。
まだ暗いみたいで目を開けたくないと思ってしまうのは仕方ないコトだと思う。
きう、と腰のあたりで雅治の腕が力を強めたのが分かったからうっすら目を開ける。暗い。
閉めたはずのカーテンが少しだけ開いていて、外の明るさが部屋をうすぼんやり照らしていた。
「…起きてるんか?」
「雅治こそ起きてたの?」
「ん」
ぬくぬくに暖まった布団の中でもそもそと動く。
ぴったりとくっつけば、寒がりな雅治は幸せそうに息を吐いた。
「寒い?」
「今は平気」
腰にあった腕が背中に回された。あったかい。
さらにぬくぬくした布団の中でなくなったはずの眠気がもう一回襲ってきた。
こつん、と額をぶつけてくるから一瞬だけ目が覚めたけれど、やっぱりふわふわと眠気に飲み込まれる。
朝食は和食にしよう。
洗濯もしたい。
全体に青黒い部屋の中で何色に染まっているか分からない雅治の頬に手を当てた。あったかい。
何度でもおやすみ
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