(ワンコ後輩×強気溺愛先輩の受?視点)先輩九条


いってー……頭も手首足首も痛い。
飼い犬に噛まれたとはこういう事か。

俺はただ、中学の頃からずっと俺に慕って恋焦がれる後輩の背中を押すために恋人ができたんだって言ったんだ。どんな反応をするか見て、嘘だと言ってから後輩から告白させようと思っていた。

俺は可愛い後輩の告白を聞きたかった!
ずっとずっとずーーーっといつ告白するんだ告白してくれるんだ雰囲気ばっちりタイミングも今だろ告白しろよぉぉぉお!!告白してくれないのかよぉぉぉお!!!と、何度も何度も何度も何度も超超超超超焦らされてたんだ!!!

まさか、背中を押したつもりが物理で殴られるって思わないだろ!気絶させるほど強く殴って手首を縄で縛りやがって俺じゃないと解けなかったぞ!

後輩が帰ってくるまでに痛めた手首を手当て。
躾るべく俺も警棒と縄を用意。
玄関が開く音がして出迎えて、頭の痛みのお返しだ。

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お互い頭にたんごぶ。
違うのは縛られてえぐえぐ泣いてるか仁王立ちで怒ってるか。


「ごめんなひゃぃ、ごめんなひゃぃ、しぇんぱいっ、しゅてないっ、でぇ、ぇぇ」
「捨てねぇよ……」


仁王立ちで怒ってるかなんて言ったが後輩が泣きすぎて怒りが失せた。
あぁもう泣かないでくれ、お菓子あげるから、抱きしめてもやるから、なでなでしてやるから……と、言いたいが我慢だ。甘やかしたいが我慢だ!


「どうしてあんな事をした?」
「らってぇ、らってぇ……ふぇぇぇぇ」


泣くなってー!!!
手が勝手に撫でてしまっただろうがぁぁあ!!
ほらティッシュ、お鼻チーン!!よく出来ましたぁぁぁあ!!


「だって?なんだ?」
「えっぐっ、しぇんぱいっ、時間、やだぁっ、」
「俺との時間?」
「短くなるっ、の、やだぁ!」


俺も嫌だぁぁあ!って言って抱きしめたい!!
もう素直に嬉しい!俺との時間が大切って事だろ!嬉し過ぎる!!


「恋人が居ても時間は短くならないだろ?」
「やだぁ!やだぁ!やだぁ!しぇんぱいっ、が、いい、の!!他の、人、いらないっ!!」


あぁぁあぁぁぁぁあぁぁあ!!可愛い!可愛い独占欲!今ならか〇はめ波ならぬかわいい波が撃てる気がする!!もう一押し!もう一押しだ!!


「俺とがいいのか?」
「うん!」
「どうして?」
「らって、らってぇ……っ、」


さぁこい!どんとこい!待ちに待った告白よこい!!その可愛い泣き面の赤面でこい!!


「おれっ、おれっ、は……しぇん、ぱいっ、がっ、しぇんぱいっ、が……」
「うん、俺が?」


言葉に出てなくても表情から好きだと伝わる。
どうしようもなく、真っ直ぐに、好きだって。
でも俺は聞きたい。言って欲しい。


「……だ、から」
「なんて?」
「しゅっ、……、から、」
「聞こえないよ?」
「しゅっ、きっ……だ、からっ、ぁぁぅ…」
「しゅき?」
「す、きっ」


あぁあぁぁぁぁあ!!!やっと!ようやく!!


「よく言えました」
「ぅ、うぅ……しぇんぱいっ、しゅきっ、すきっ!」
「俺も大好きだぁぁぁあ!!!」
「しぇんぱっ、んっ、んんんんんっ?!!」


俺は後輩を押し倒してキスしてやった。
ついでに縄もほどいてやったら形勢逆転されて後輩に貪られた。
この大型ワンコめ……


「俺を襲うのか?」
「……だ、め?」


可愛いから許す!!

−終われ−


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