(変態先輩×強気平凡?の受視点)畠中慎二


※学校は男子学園全寮制。

俺、畠中慎二は変態な先輩とお付き合いしています。

付き合った切っ掛けは至極単純で先輩は普段常に俺にベッタベタで体を触って好きだ好きだ言っていた。けれどそれが急にピタリと止められ……俺は噂よりも本人に聞いて確かめる質でして、

「……先輩は俺のこと好きじゃなくなったんですか?好きじゃなくなったら話したりしてくれなくなるんですか?パッタリと合わなくなるんですか?好きな人ができたなら、俺、協力……あれ、なんでだろ、協力するって、言いたいのに、すいません、すぐに泣くの止めますから」
「慎たん、胸が痛い?」
「は、はい、なんでかはわかりませんが、」
「それは僕のことが好きだからじゃない?」

そう言われたら、そんな気がした。

「先輩が、好き?」
「俺も慎たんが好き!」

疑問形で聞いたつもりだったのだが、先輩から好き好き好きって言われ抱きしめられたら何故か安堵して、胸の痛みや涙が止まった止まった。

その後、コレは先輩の押して駄目なら引いてみろ作戦で、俺はまんまと引っかかったという事だ。

恥ずかしくて最悪だ!って思っていたら先輩を殴っていた。殴られた先輩は「慎たん!パンチもっと!もっと!アヘアヘ!」って気持ち悪く鳴いた。


こんな経緯でお付き合いを始めてしまい、今はとても後悔してる。

朝は先輩から起こされ、起きなかったら脇を舐められる。先輩の手作り朝食は何が混ざっているかわからない。過去に先輩の汗や爪垢、脇毛が混ざっていた。朝から疲れるが朝食を先輩に投げつけ自分で食パンを焼く。朝食を投げつけられた先輩は頭から味噌汁を被って怒らずに喜んでる。そして何を混入したのか暴露するが聞いたら不味くなるのでスルーだ。

学校は勿論先輩と登校。寄り添ってとか、手を繋いで……なんてピュアな登校なんてしない。
俺の手にはリード、先輩には首輪。周りからの目は慣れたし周りも俺達に慣れたと言うか1mは離れてる。
歩いてると時々先輩は足を止めて止まる。苛立つ俺は思いっきり引っ張る。先輩は「アヒンッ!もっと!もっと!強く引っ張って!アヒンッ!」と鳴く。何度もやられると面倒になってリードを投げ捨てたら泣いて縋ってくる。勿論ウザイので先輩を蹴りリードを持って強く引っ張ってやる。先輩は喜んで鳴くから問題はない。

授業後の小休憩時間は先輩からのメールラッシュ。俺は返事をしなければ内容も見ない。先輩はメールを送り俺に無視されることに喜ぶ。勝手に放置プレイもどきだと思って悶絶してるだろう。だから俺の携帯は常にミュートだ。

昼休みは先輩の膝の上で食べる。
これも慣れた。周りも俺も。
だが食べずらい。黙々と食べてると髪だけでなく体を撫で回してくるし耳を噛んでくる。だから時々先輩の口に飯を突っ込まなければならない。俺が食べさせないと食べないという質の悪い先輩だ。先輩が調子に乗り、俺が苛立つと熱々の麻婆豆腐の豆腐を先輩の口の中に突っ込んで食わす。オムライスならばタバスコを大量に振りかけたのを食べさせる。「美味しいでしょ先輩?」「はっ、はひっ、はひっ、ほひひぃれふ」涙目で口を押えハフハフさせる先輩を見るのはとても気分が良くなってもっと食べさせないと……って思って食べさせるけど途中で必ず誰かが止めに入る。邪魔をされて不機嫌になる俺だった。

午後からの授業の小休憩時間にも先輩からのメールラッシュ。毎日飽きないものだ。ネタ切れしない先輩が凄いと時々思う。

放課後は部活。
朝から蓄積されたストレスを走って発散する。
陸上部に入ったばかりの頃、先輩に憧れていた。先輩も普通だったのに(変態性を隠していただけかもしれないが)何処で拗れたのやら。
「慎たん!慎たん!がんばれー!がんばれー!!」……俺を応援せずにハードルを設置して準備運動してくれ。
部活に集中すると先輩から解放されて楽だ。

部活が終わりシャワールームに入ると俺がいる個室に先輩も入ってくる。ただてさえ狭いのにさらに狭いし体を触ってくるし匂いを嗅いでくるしマジで邪魔。舐めてきた時はシャンプーボトルで殴る。殴っても発情していたら張り手をして逃げる。ボトルで殴られるより張り手の方が効果が有るのか、先輩は追ってこない。

寮に帰る時も俺の手にはリード。流石に先輩も疲れたのか立ち止まりはしない。ピュアな恋人みたいに手を繋いで帰る。先輩は朝絶好調で元気すぎる。だから夕方からはおとなしい方だ。

部屋に戻るとソファーに座って俺を足の間に座らせる。俺は宿題をしてるが先輩は俺の肩に額を乗せてグリグリしたり腹を撫でてくる。甘えてるっぽいが先輩はいつ宿題をするんだ。先輩は時々疲れていると俺の肩に額を乗せたまま寝る事が有る。仕方が無いなぁ少しだけな……なんて俺が甘く寝かせるわけがない。頭突きをかまして緩んだ隙に離れる。そして繋がったままのリードを引っ張りベッドに連れていく。「あうあう、慎たん優しくしてぇ」「……寝ろ」「うぅ……寝る前に脇匂わせて」「は?」「おやすみなさいっ!」本当に疲れているとおとなしい先輩だ。常におとなしくして欲しいんだが。朝から飛ばさなければ夕食を食べずに寝るなんてせずに……夕方を俺1人で食べるのが寂しいとかそんなんじゃないからな。

カップラーメン食べて明日の用意して風呂入って洗濯の予約して携帯をいじり暇つぶし。この時間も先輩から解放されてリラックス出来る貴重な時間である。

だが、眠って1、2時間後には邪魔をされて起こされる。
下半身に違和感を感じて起きる。そして布団を捲れば俺の息子を咥えて舐めてる変質者の先輩。変質者なだけに全裸だしな。「おい」「んふぅっ、ふぅっ」「バレ、てんだから、やめっ、」「ふはっ、慎たんっ、んんっ」駄目だ、無駄に上手いから流されそうになる。なんとかして離そうとしても、うまく力が入らないから離せない。ここで負けたらヤバイ、睡眠時間が削られるっていうのに!「っ、はっ、あぁっ、」「んっ……慎たんのお汁っ、おいひぃ」「んのっやろっ」「慎たんっ、僕、悪い子、だから、お仕置き、して?」……お仕置きという変態プレイをしろと。今回は何が希望だ?緊縛か?管理系か?地獄系か?鞭打ちか?コスプレか?俺的には放置プレイが楽だ。俺は寝るから勝手に1人でナニってろ。いや、やっぱりやめろ過去に顔面にぶっかけられて不愉快だった。「これで、お仕置きしてっ」と言って渡されたのは玉が連なってる大人の玩具。「勝手に自分でやってろ」「わ、わかった、慎たん、自分でやるから、見てて?ね?」見たくねぇよ。視姦かよ。
まぁ、でも、感じてる顔が悪くなく唆(そそ)るもんだったらもっと泣かせたくて付き合ってやる。モノを咥え込んでる穴より感じて悶えてる顔の方が好きだから尻を寄せんな。見られると興奮する?俺は萎えるわ。と、言うことで今日は無し。尻を叩いて寝るぞ宣言。「やっ、慎たんっ、」「俺の脇でも匂って寝てろ」「……うん!」穴に突っ込まれた玩具の行方は知らないが先輩は自慰を止めて横になって俺を抱きしめる。
脇というよりうなじを匂ってんな。この方が寝やすいからいいか。

爆睡して翌朝になると先輩は俺を起こしてくる。
今日は足を舐められたから蹴り倒した。
朝から疲れることこの上ない。

俺、なんでこんな変態な先輩と付き合ってるんだろ。先輩もなんで俺を好きになったんだろうな。

「ううっ、酷いよ慎たん」
「……はぁ」
「慎たん?膝小僧舐めちゃうよ?」
「また蹴りますよ」
「いやんっ!あ!朝ごはん出来てるよ」
「食べませんから」
「食べてよっ!僕の唾液入りお味噌!」
「わざわざ入れるな!!」


俺、畠中慎二は変態な先輩とお付き合いしています。
……味噌汁に唾液入れるならキスで良くないか、なんて思うほどには好きだと思います。

-終わり-


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