▽ 2
…あれ?何や、空が真っ白や…
…あれ?真っ白なんは私か…?
…あれ?何で私こんな事になってんの…?
ってかコレ銀魂のネタやん…って、ちょっと待って。
私…――
「いやいやDグレ派ぁぁぁ!!銀魂も好きやけど、断然私はDグレ派ぁぁぁ!!…って、あれ?……ここ何処?」
勢い良く起きたらそこは、見た事のない真っ白な場所。
360度全部真っ白で、ドアも窓も見当たらへん。場所って呼ぶより“空間”って呼んだ方が正しいやろう。
「…私、車に撥ねられたんやっけ?って事はここは死後の世界か。何やえらい殺風景やな…」
「違ぇよ。ここは死後の世界なんかじゃねぇ」
「!?」
ビビった。振り返るとそこには、スーツ姿の男の子が立っとった。
歳は10歳位で、黒い髪と目をしてる。上に羽織ったマントが少しなびいてる。
「…あの…貴方誰ですか?」
「お前を訳あって俺達の世界に連れて来た。これまでの経路を説めブッ!」
「先質問に答えろや」
無視しよったから一発殴ったった。ガキのくせに生意気なやっちゃ。
そいつは暫くひっくり返っとったけど、すぐ起き上がった。
「黒桜(コクオウ)…それが俺の名前だ。で、さっきお前車に撥ねられたろ?あれでお前はもう死んだ」
……私が、死んだ……やっぱそうか…
いまいち実感が湧かへん。ってか死んだんやったら、やっぱり死後の世界に行くべきちゃうん?
「すまねぇ、俺の責任だ。ちゃんと見てなかった」
「…は?何を…?」
「話せば長くなる」
* *
世の中には、世界と呼ばれる空間が無数にある。
お前が住む世界は“核界”っつって、全ての世界の基礎に当たる。
仮に“世界”を、みんな“鍋”に例えようや。
鍋ん中には、汁以外に必ず具があるだろ?
この“具”はお前ら人間や動植物で、“出汁”は自然や建物の環境に当たる。
この鍋を守り、作っていくのが俺達“守神(モリガミ)”の仕事。
そして核界“鍋”の担当が、俺だ。
「へ〜、あんた神様なんや」
「守神はそんな大層なもんじゃねぇけどな。ま、核界任されてんだから、それ相応の位を持ってるつもりだぜ。けどある日、俺は…――」
「…え?何かあったん?」
ちょっとちょっと、何かえらいシリアスやねんけど…。
どんな大事件が…――
「ちょいと、うとうとしちまってな」
「……………」
「情けねぇ。俺としたことが一生のふ
ガボッ!!!」
「要はお前の居眠りの所為かぁぁぁ!何さらしてくれとんじゃボケエエエ!!」
真面目に聞いて損した。私の人生返せや。いやその前にさっきまでの私のシリアスな雰囲気を返して。
いやその前に「生まれ変わるならエクソシストになりたい!」とか考えてた私をブッ殺してっつーか私何考えてんの、恥ずかしっっ!!
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