頭が重くなるような本

【異端者】についての本。

『いつの日からか、異端者と呼ばれる存在が産まれ始めた。

産まれた時から感情を一切もたない人間のことだ。

人々の認識は、最初は『そんな病気なのだろう』という程度だった。
だがいつしか、そんな人間が産まれることが多くなり‥‥人々は不気味がった。

それはまるで、自分とは違う存在を見るような冷たい目ーーそう、'異端者'を見るような目で。

大人だろうが子供だろうが関係なく、異端者は差別を受ける。
ただ、異端者だというだけで。

それでも異端者は何も言わない。感情がないからか?


だが、異端者だけでなく、普通の人間にも二種類ある。
前述のように、【異端者を差別する者】と、【異端者を差別しない者】の二種類に分けられる。』



【非道な施設】についての本。

『十年前ーーサントレイル国の施設の事実。

歳が十以下の子供(孤児)は、まだ自立できる歳ではない為、施設に入れられる。

サントレイル国では、魔術を習うのは学院で十歳からである。
だが、孤児となった子供は、後々に充分な生活が出来ない可能性がある為、早くから魔術を身に付けさせられる。
大人になった時にしっかりと自立できるようにとの措置だ。

しかし、施設の講師らは国の目を盗み、事務放棄をしていた。

例として、魔術の初心者である子供達になんの指導もなく、上級魔術の本を投げ付けて自分で学べということが日常茶飯事であった。
初心者に上級魔術など、一歩間違えれば害を及ぼすものである。
しかし、それに文句を言えば、子供達は暴力を与えられた。

日に日に、施設内の子供達は減っていったそうだ。

子供達は魔術を独自に学び、なんの教えも受けていない為、力を制御できず、使い方を間違って暴走した魔術に巻き込まれたり、自分に降りかかったりとした為だ。

とある日、一人の魔術に長けた少女が施設内で魔術暴走を起こしたことにより、国はようやくこの施設の実態に気付き、対処をした。』


ーーそこまで読んで、マインは本を閉じる。


ー41ー

*prev戻るnext#

しおり



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -