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「り、リーオ…っ」


→囁く声は禁忌の調べ




唇を寄せる、耳にかかる熱い吐息に悪寒が走った。

「リーオやめ「やめないよ」

片手をオレの右頬に添えて唇を左耳に寄せたままリーオが囁く。

「…何いまさら嫌がってるの。君も知りたがっていたでしょ?」

淡々と話す奴の声がオレを追い詰めていく。確かに、知りたがったのは紛れもなくオレで、けれど、こんな形でだなんて誰が想像しただろう。

「やめろリーオ、頼む…」

聞きたくない聞きたくない。耳を塞ぎたいのに腕を抑えつけられては、それは叶わない。それどころかソファの背もたれに体を押し付けられ、身動きをとることすら今の自分には難しいことだった。


「そう、全て君の想像通りさ」

「リーオ!もういい、もういいからオレが悪かった、だから…」

「エリオット…」

頬に添えられる手に僅かに力が込められる。熱い、嫌だ、聞きたくない…!









「そう、犯人はセバスチャンだったんだよ!」

「…――っっ!!!!」

「セバスチャンの本名はレナード・ディオ・オルレアン。つまり、オルレアン家の当主だったってわけ。全ては父を死に追いやったレイモンドに復讐するための芝居でクリスティが扉を開けてはじめに見た蝋燭がすでに伏線だったんだ。そのあとでマルコの」
「うおあああああああああああああ黙れええええええええッ!オレの楽しみが…っ!ふざけんなよ、この、ふざけんなよッ!!!!」

絶望した。
耳元で囁かれるネタバレの数々を聞きながら、もう二度とコイツに先のことなんて尋ねるものかと強く心に誓った。












■―――――――――――
リーオに話の1を聞いたら10返ってきたって話。
人生最大の禁忌、それはネタバレ。


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