欲という名の熱
求めるように互いの名前を呼んで体に腕を回しキスをする。
どうしようもないくらいに思考は下がる、落ちる、相手しか考えられなくなる。
ああ、まずいなって思ってももうどうしようもない。
その程度には愛しいし、ずっと触れていたいと思うのだ。
けれども向こうは身を引いて逃れようとするから、つい捕まえたくなる。
「……逃げんな」
逃げ出したくなるくらいに怖いのか、それとも逃がされないようにわざとそうしてんのか。
縋るような目、望むような色を含んだそれに背筋がゾワリとするのを感じて後者かと判断できれば肩口に唇を付け、思いきり噛み付いた。
俺の、俺だけのコイツというようにマーキングをする。
その程度の事をしたくなるくらいの独占欲、熱量、ああ……久しぶりのコイツに俺は餓えていたのだとそう気付いた。
2018.10.11
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