消化

 天気の悪さで心が下へと引っ張られる。
 そういうのが理由でやる気が出ないから調子が良くないと上司に連絡をして会社を休んだ。
 今日休もうと思ったのはコンディションの面もだけど閑散期で中に人がいるというのもあるからだ。
 繁忙期なら出なきゃならないけれど閑散期ならではの暇さなら一日位でなくても、そう思ってしまう自分がいる。
(ある意味では手の抜き方を覚えたんだろうなぁ……)
 そういうのは社会人として如何なものかと思いつつ、調子が良くないのは本当の事だしなと言い訳じみた事を考えてみる。
 精神的に調子がよろしくないと良い仕事だってできないし、それを根性とかでカバーできるほどの気力もない。
 気力や根性でなんとかできるのは繁忙期だけだし、閑散期に限界値を超えるような事なんてしたくないのだ。
 それを不真面目だとか言う人はよっぽど健全というか健康というか、真面目な類なのだろう。
 働き始めて三年の頃は私もその類だったけど勤め続けて頑張り過ぎた結果、馬鹿らしくなってしまったのだ。
 年々増えていく仕事量と責任、それに見合う給与が出ていればまた違うけれどもそうでない。
 ならば閑散期のこのくらいの事は許されても良いと思うのだ。まあやるにしても年に一度程度なのだけど。
「……なーんかっねー」
 読みかけの本を手にベッドにダイブしつつ、さて明日の仕事はどう片付けてやろうかなんて考える。
 つい仕事の事を考えてしまう自分に嫌気を覚えながら不調なコンディションを整えようと、残りの時間を過ごすのだった。



2018.9.20
back


[ 10/14 ]

[*prev] [next#]
[top]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -