つっかえにはお菓子作り

 仕事の事とかプライベートの事とか、そういうので溜まっていく何かがあって。
 それを言葉にしてどうにかなるならしたいけど、喉元でつっかえて言えなくなる時もある。
 そういう時はストレス発散として何かをしたいってなるけど、どこかに出かけるのも億劫であって、ああ自分という存在は随分と面倒くさいなと考える。
 ベッドに寝転がりながら音楽を聞きつつウダウダしている間に時間は流れる。
 正直言って音楽を聴く気分ではないけれど何かしら流していないと嫌な感覚がするから流しているようなものだ。
 浪費浪費消費、ああ凄い無駄な事をしている。
「どうにかしたいんだよ、どうにかは」
 脳内で思えばいいのだろうけど言葉にする事で気分が変わるかもしれないと思って呟く。
 ウダウダしたい時はあるけど、でもあまりそういう状態になるのは好きじゃない。
(あーあ、甘いもの食べ……ああ、そっか)
 少しの空腹を感じてそう思えば起き上がりキッチンへと向かう。
 もしかしたらこの気持ちはお菓子を作れば解消されるんじゃないかなと、流れる音楽を聞いて閃いたから。
「アイツに連絡しようかな」
 ふと作っても一人じゃ食べきれないと思ってスマホを手にすれば連絡用アプリを立ち上げ、アイツとの会話を選択する。
 何もなければ一緒に食べるもよし、そうじゃなければお裾分けでもいい。
 そんな風にして、それでようやく気分が上向きになるのを感じた。



2018.09.12
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