オルトレマーレの星ひとつ | ナノ
オルトレマーレの星ひとつ
▼03

「…ランキングフゥ太を、ここへ連れてきてください」

「…は?」

骸氏の言葉に、つい間抜けな声が出てしまったのは仕方がないと思う。


ランキングフゥ太。その名前はマフィア界の者なら聞いたことあるだろう。
あらゆるものにランキングをつける能力を持った情報屋だと聞く。
なぜ…と疑問に思ったが、頭によぎったのはボンゴレ十代目。骸氏はきっと、彼が誰だか目星がついていないのだろう。

「…仕方ないか。場所は?」

「察しが良くて助かります。ランキングフゥ太は今、ボンゴレ十代目の元で暮らしているらしいです。」

骸氏から告げられた言葉に、少し驚いた。
十代目の行きそうな場所ランキングでも作るのかと思いきや、まさか共に暮らしてるとは。なかなか骸氏も悪運がいいらしい。彼はまだ10にも満たない少年だと聞くし、連れてくるのは簡単だろう。

しかしここまで周りの情報を調べることができても、本人の居場所がわからないとは。よっぽど気配を隠すのが得意なのか、それともボンゴレ十代目のマフィアとしての威厳が無さ過ぎるのか。
後者だったらとんだ骸氏の買い被りだたじゃないか、そう思いつつも、頼まれたものはしょうがない。頼みますよ、昴。そう言ってクフフと笑った骸氏の言葉を聞きつつ、全くとんでもない貧乏くじを引いたものだと一つため息をついた。

並盛町。この拠点に暮らすようになってまだ4日だが、幾度もなく足を運んでいる。
行動範囲の狭い少年を見つけることなど、容易いことだろう。




…そうは思っていたが、まさか捜索開始10分で出会うとは思わなかった。
手に持ったビニール袋はお使いの帰りか何かだろうか。このまま尾行していけば十代目が暮らす家がわかるのかもしれない。
気づかれないように一定の距離を保ち、後を追う。

すると

(気づかれてる…?)

キョロキョロと何度も後ろを振り返るランキングフゥ太。まさか、と思いながらも後をつけ続けると、振り向いた彼と目が合った。

「っ!」

(あ、これは気づかれてるな…)


息を飲んだランキングフゥ太。手に持ったビニール袋を落としたが、それに構わず一目散に逃げ始めた。
袋の中から転がり出るのは、飴と中華饅。自分で食べる気だったのだろうかなんてどうでもいいことを考えつつ、そのビニール袋を拾ってランキングフゥ太を追いかけた。
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