オルトレマーレの星ひとつ | ナノ
オルトレマーレの星ひとつ
▼19

スゥ、と復讐者の姿が消えていく。

完全に見えなくなったその瞬間、肩が掴まれる感覚がした。


「昴!どういうことだぴょん!リトゥニアファミリーって、なんなんら!」

城島に何度も揺さぶられ、柿本もこちらをじっと見ている。
何も言えず、唇を噛んで下を向く。そんな空間を壊したのは、骸氏だった。

「…昴、そろそろ潮時のようですね」

「…骸氏」

「骸様は、知ってたんですか?」

「なんで教えてくれなかったんれすか!」

興奮気味の城島を宥め、骸氏はいつものようにクフフと笑った。

「僕だって最初から知っていたわけではありませんよ。…ほら、昴。話してあげなさい」


リトゥニアファミリーについて。と付け足した骸氏。潮時、と言ったが、確かにそうだ。もう隠し通せないその事実を語るのは今がちょうどいいだろう。


「…昔、さ」

そうして私は口を開いた





昔、城島たちには、私がエストラーネオファミリーに来たのは、両親が死んだ後にエストラーネオファミリーに拾われたから、って言ったよね?

あれ、嘘でさ。

本当はもともとリトゥニアファミリーにいたんだ。小規模だけど、みんな本当の家族みたいに仲良くてさ
父さんも母さんもリトゥニアファミリーの一員で、その子供の私も生まれた時からファミリーに入ってた。
…いい人達だったよ。小さな私に優しくしてくれて、街の人にも優しくて。

…で、私が4歳の時だったかな。
エストラーネオファミリーと、抗争になったんだ。

昔から、皆戦闘を好まなかったからね。
実力的にも、数的にも圧倒的に不利でさ、あっという間に壊滅状態。

私以外、皆殺されちゃったんだよ。
…私の目の前で


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