オルトレマーレの星ひとつ
▼19
スゥ、と復讐者の姿が消えていく。
完全に見えなくなったその瞬間、肩が掴まれる感覚がした。
「昴!どういうことだぴょん!リトゥニアファミリーって、なんなんら!」
城島に何度も揺さぶられ、柿本もこちらをじっと見ている。
何も言えず、唇を噛んで下を向く。そんな空間を壊したのは、骸氏だった。
「…昴、そろそろ潮時のようですね」
「…骸氏」
「骸様は、知ってたんですか?」
「なんで教えてくれなかったんれすか!」
興奮気味の城島を宥め、骸氏はいつものようにクフフと笑った。
「僕だって最初から知っていたわけではありませんよ。…ほら、昴。話してあげなさい」
リトゥニアファミリーについて。と付け足した骸氏。潮時、と言ったが、確かにそうだ。もう隠し通せないその事実を語るのは今がちょうどいいだろう。
「…昔、さ」
そうして私は口を開いた
*
昔、城島たちには、私がエストラーネオファミリーに来たのは、両親が死んだ後にエストラーネオファミリーに拾われたから、って言ったよね?
あれ、嘘でさ。
本当はもともとリトゥニアファミリーにいたんだ。小規模だけど、みんな本当の家族みたいに仲良くてさ
父さんも母さんもリトゥニアファミリーの一員で、その子供の私も生まれた時からファミリーに入ってた。
…いい人達だったよ。小さな私に優しくしてくれて、街の人にも優しくて。
…で、私が4歳の時だったかな。
エストラーネオファミリーと、抗争になったんだ。
昔から、皆戦闘を好まなかったからね。
実力的にも、数的にも圧倒的に不利でさ、あっという間に壊滅状態。
私以外、皆殺されちゃったんだよ。
…私の目の前で