オルトレマーレの星ひとつ
▼17
「っ?!」
目を移すとそれは枷。骸氏たちにも同じものが嵌る。枷から伸びる鎖の先を辿れば、そこにいたのはコートの大男だった。
「早ぇおでましだな」
「い、いったい誰?!」
「復讐者“ヴィンディチェ”」
アルコバレーノの言葉に納得した。彼らが復讐者か。
噂にしか聞いたことはないが、マフィア界の掟の番人だと聞く。なるほど私たちにぴったりだろう。
彼らにより鎖を引かれる。枷が嵌った私の体は当然引き寄せられており、ぶわっと開かれた復讐者のコートの中へ。きっと、牢獄へ送られるのだろう。骸氏たちも一緒だろうか。
1人は嫌だなぁ、と思いながら霞む視界の中で手を伸ばした。
その手は何を掴むというわけでもなく、呆気なく宙を切る。
ゆらり、目を閉じた。私の記憶は、そこまでしか覚えていない