オルトレマーレの星ひとつ | ナノ
オルトレマーレの星ひとつ
▼12

初めてここに来た時と同じように、裏門へと向かう。ちゃんと彼らがいることに安堵しつつ、そこにいる5人を歓迎した。

「いらっしゃい」

「ほんと、私を雇うんなら迎えくらい寄越しなさいよ!」


「んなこと言われても…」

M.Mちゃんは相変わらずだなぁ、と言葉を付け足し苦笑する。
彼らを小部屋まで案内し、制服を渡した。首をかしげる彼ら。まあ当たり前だろう。
バーズが口を開いた。

「なんです?これは…」

「骸氏の命令。これ着て仕事しろってさ。」

そう言えば、みんな渋々といった感じで制服を着始めた。ちゃんとM.Mちゃんは別部屋に案内したけど。
骸氏は制服マニアだ。黒曜中を選んだのだって制服が気に入ったからだし。
だがそんなことを彼ら(特にランチア)には言えないので、私は黙秘権を貫き通すことにする。

M.Mちゃんはちょっと制服を気に入っているようだった。ちょっと骸氏と感性似てるよね。まあ制服似合ってるし女の子眼福だしいいんじゃないだろうか。ご馳走様です。



あとはまっすぐ行けば部屋に着くとだけ教えて、私はまた外へと出る。先程から外が煩いのだが、もうやって来たのだろうか。

「あ…あれ、かな?」

土砂に埋まった植物園を覗き見る4人の影。顔ははっきり見えないが、内1人は…

「赤ん坊?」

なんでこんなところに、と思ったが、ふと昔何かの噂で聞いた話を思い出した。

「アルコバレーノ…」

最強の赤ん坊だったか、なんだったか。そんな感じだった気がする。
それじゃないだろうかと思いつつ、調査は骸氏に任せようと私も少し離れたところから植物園の中を見た。

「あ、城島」

と、一緒にいるのは確か2位の山本武。
なんだボンゴレの中に彼がいたのか。
だが、戦う彼に違和感を感じた。

「なんであいつ腕庇ってんの…?」

勝つ気がないのだろうか。

「逃げてばっかじゃん。もしかして俺相手に持久戦に持ち込もうとしてんの?」

どうやらその疑問を感じたのは城島も同じらしい。
何があるんだと考えてるうちに、気づけばもう1人増えていた。

蜂蜜色の男の子。げふって言ってたけど上から落ちたんだろうか。お気の毒。

そちらから先に襲おうとした城島を、山本武が阻止してゲームセット。なんという友情。私には無理だな。

「ほへー、挑戦状だ」

まんまと挑発に乗った城島はチーターチャンネルで山本武に襲いかかる…が

「うっわ痛そ」

メキメキっと腕が噛まれた直後、城島の頭が刀の柄で吹っ飛んだ。

気絶した城島はあっという間にグルグルに石へと縛り付けられる。
だがあいつ、今オポッサムチャンネル使ってるし、後で縄を解いてやればすぐ起きるだろう。

城島のことより、と私は鎖鎌を構えた。あの中にきっとボンゴレ十代目がいるのだろう。

私だって、やってやろうじゃん
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