オルトレマーレの星ひとつ
▼10
所変わって並盛中、千種により怪我を負った獄寺を見舞い、とぼとぼと廊下を歩く綱吉。 頭に落ちた水滴に上を見上げると、マユになったレオンと赤ん坊…リボーンがいた。
マユのことに一通りツッコミを入れたあと、
「こっちは大変だったってのに、お前何してたんだよー!」
そう叫ぶ。
そんな情けない姿を見つつ、リボーンはぴょん、と天井から床へ飛び降りた。
「イタリアでおきた集団脱獄調べてたんだ」
「はぁ?だつごく?」
その言葉にリボーンはひとつ頷くと、説明を始める
「ああ、2週間前に大罪を犯した凶悪なマフィアばかりを収監してる監獄で、脱獄事件が起きたんだ。
脱獄犯は看守と他の囚人をみな殺しにしやがった。
その後、マフィアの情報網で脱獄の主犯はムクロという少年で、部下3人と日本に向かったという足取りがつかめたんだ。
そして黒曜中に4人の帰国子女が転入し、あっという間に不良をせしめたのが10日前のことだ。
リーダーの名を、六道骸」
その名前を聞くと、綱吉は驚愕で顔を染めた。
「なっ!まさかムクロって…
もしかして同じ人?!」
こくりと頷くリボーンに、頭を抱えた。
「そんなおっかないのが並中狙ってんのー!
…あっ、ちょっと待てよ!それって何気に相手がマフィアだって言ってんのか?!」
その言葉には、リボーンは首を横に振った。
「逆だぞ。」
「奴らは、マフィアを追放されたんだ」